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2015 Fiscal Year Research-status Report

東北諸藩における軍記の享受と伝承・歴史認識形成の関連性を解明する新研究

Research Project

Project/Area Number 26370227
Research InstitutionAkita University

Principal Investigator

志立 正知  秋田大学, 教育文化学部, 教授 (70248722)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords軍記 / 歴史認識 / 地誌 / 自己認識
Outline of Annual Research Achievements

地域伝承の形成、地域における歴史認識形成の問題を総合的に捕らえるための基礎作業として、秋田公文書館・秋田県立図書館所蔵の佐竹氏関係資料の調査を随時行なっているほか、基盤研究(C)「松代・一関・南部・秋田各藩の和歌活動・俳諧活動による大名文化圏形成の新研究」(課題番号:25370223、研究代表者:平林香織)と合同で、もりおか歴史文化館(2015.9.22)・八戸市立図書館の資料調査(9.23)、およびミニシンポジウム(2015.9.22、於八戸)をおこなった。シンポジウムでは、大名文化圏形成における大名の自己認識の問題や資料としての地誌の有効性などを確認している。
その一方で、昨年度蒐集した弘前市立図書館の津軽氏関係資料(『可足権僧正筆記』・『津軽御系図』・『東日流由来記』等)の翻字を進める傍ら、佐竹氏・津軽氏・南部氏の地誌・藩史関係史料の比較研究を行なっている。その過程において、昨年度報告をした地誌形成・歴史認識形成おける幕府による「知の再編」の影響の問題が、資料の成立年代との関係においてあらためて確認されている(寛文二年九月の書写奥書をもつ『東日流由来記』等)。また、南部氏関連資料などに見られる歴史認識の問題(糠部への入部を頼朝由来とする等。歴史学関係者からは、史実との齟齬が指摘されている)についても、『寛永諸家系図伝』との関係などについて、検討を計画している。ただし、研究発表・論文などのかたちで公にするには至っていない。本年度の成果については、最終年度である28年度末に刊行予定の報告書にまとめて掲載する方向で検討を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

26年度に蒐集した津軽氏関連資料の翻字・分析は順調に進んでいる。また、27年度に蒐集した南部氏関連資料についても、翻字・分析作業を進めており、その成果についての一定の見通しもついたところである。
一方、酒田・鶴岡の義家伝承関係資料調査については、『出羽国風土略記』(18世紀中頃)を遡る資料を見つけられずにやや遅れている。また、日程調整がつかなかったため、一関藩関係の資料調査が行えなかった。また、津軽氏関係資料の再調査も実施出来ていない。これらについては、28年度の早い時期に進める必要がある。

Strategy for Future Research Activity

1.佐竹領における義家関連の伝承の再検討。成立年代とその背景、伝承地域の歴史認識と藩主との関係。酒井領(山形県庄内地方)における義家伝承の形成の問題を補助線とする。
2.南部領における義家伝承の検討。南部氏の自己認識形成と伝承内容の佐竹領との相違の問題についての検討を進める。
3.津軽領における歴史認識形成と安倍氏関係伝承の検討。津軽領の場合、義家伝承というよりは、安東氏関連としての安倍氏伝承の色彩が強く表れており、南部氏との歴史的関係がより問題となろう。
以上、3点を中心に、北東北における地域伝承の形成、地域における歴史認識形成の問題についての考察を報告書にまとめる。

Causes of Carryover

日程的な調整がつかず、当初予定していた実地調査が行えなかったため、文献蒐集(資料などの購入)によってそれを補う措置を行なったが、一部補いきれずに差額が生じたため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

27年度に積み残した調査を、28年度の計画に加えて行なうことに、繰り越した経費を利用する予定である。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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