2016 Fiscal Year Annual Research Report
A study of the popular annotated editions in the case of Japanese reprints of the Chinese Classic in middle ages of early modern in Japan.
Project/Area Number |
26370247
|
Research Institution | Nishogakusha University |
Principal Investigator |
稲田 篤信 二松學舍大學, 文学部, 教授 (20168404)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 世説新語補 / 唐詩選 / 通俗解 / 徂徠学派 / 平賀中南 / 和刻本 / 明清漢籍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は『世説新語補』及び『唐詩選』を主たる材料として、明清漢籍受容史の視野の下に、講釈・国字解などの江戸期の通俗的注釈を検証することを課題としている。 本年度調査及び収集した主な古典籍・資料は、以下の通りである。国内の場合。大坂の漢籍書肆・河内屋吉兵衛関連調査として、東京都立中央図書館加賀文庫蔵の『唐土名勝図会』の刊本及び草稿本、広島市立図書館浅野文庫蔵の套印本の書誌調査を行った。三原市立中央図書館において、平賀中南資料の収集のほか、『世説新語補』関連では『世説新語補索解』、『世説新語補考』、『世説音釈』、『唐詩選』関連では『唐詩選解頤』などの調査を行った。海外の場合。北京師範大学図書館および首都図書館(いずれも北京市)において、『世説新語補』明版、清版合わせて六種を調査した。 平成28年4月28日二松学舎大学で行われた二松學舍大学文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(略称SRF)第3回研究報告会において、「唐音・訓読・国字解 ―平賀中南の読書論―」と題して、『唐詩選』巻七李商隠七絶「夜雨寄北」を例として、中南の『唐詩選夷考』、服部南郭『唐詩選国字解』ほか諸家の注釈、通俗訳を検討し、中南の音読論、訓読および国字解批判の言説について報告した。 平成28年11月19日二松学舎大学で行われた「論語の学校」講演会において、「庶民の分度―上田秋成と『論語』―」と題して講演した。これは『論語』を通俗化していく例として渓百年『経典余師』を取り上げ、庶民教化と秋成の『論語』理解について論じた。 平成29年3月18日三原市中央公民館において行われたSRF・三原市教育委員会共催講演会「平賀晋民の世界」で、「平賀晋民の人と学問」と題して講演を行った(他に野間文史氏)。また、澤井常四郎『経学者平賀晋民先生』の覆刻版に解題を付して刊行した。講演会および出版はSRF事業。
|
Research Products
(7 results)