2016 Fiscal Year Research-status Report
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26370252
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
水谷 隆之 立教大学, 文学部, 准教授 (60454500)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日本近世文学 / 浮世草子 / 俳諧 / 井原西鶴 / 北条団水 / 古典注釈 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究3年目にあたる今年度は、西鶴や団水の俳諧・浮世草子に関する調査・分析を継続するとともに、その成果の一部を以下の論文として発表した。 論文「俳諧と浮世草子の関係性―西鶴作品を中心に―」 (『日本研究』 68号、韓国外国語大学校)では、近世初期俳諧の発想や手法を用いて創作された西鶴作浮世草子の解釈の方法と、それを大学教育においてどのように使えばよいかを、西鶴の俳諧と『好色一代男』『西鶴諸国はなし』といった西鶴作浮世草子との関係を例にあげつつ、具体的に論じた。なお本論文は、韓国外国語大学校日本研究所国際シンポジウム(2015年10月31日)における口頭発表をもとにしている。 以上のほか、今年度はとくに『伊勢物語』『平家物語』等の古典ならびにその注釈書と西鶴・団水の作品との関係についての調査・分析を進めた。近世までの古典注釈書に示された古典学の実態とその変遷を追い、それが俳諧や浮世草子の創作時にどのように理解され、取り入れられていたのかを確認するものであり、当代の俳諧・浮世草子をより正確に解釈することを目的としている。具体的には、古典注釈と伊勢物語絵・仮名草子・浮世草子の関係(前年度の調査を継続)、『伊勢物語』注釈書と『好色一代男』ならびにその後の好色物浮世草子の関係、『平家物語』と団水作品の関係等をテーマに、資料調査と分析を進めた。いずれも本研究課題の最終年度にあたる次年度のうちに論文として公表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
資料収集、論文執筆にやや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画のとおり研究を進める。
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Causes of Carryover |
資料調査のための旅費、資料整理のための人件費を計上していたが、作業の遅れのためそれらの一部を次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内、海外における資料調査のための旅費、資料整理・データ入力のための人件費として使用する。
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Research Products
(1 results)