2015 Fiscal Year Research-status Report
折口信夫旧蔵資料の調査とその評価を通じた同時代文学の資料学的研究
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26370258
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Research Institution | Morioka Junior College,Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
松本 博明 岩手県立大学盛岡短期大学部, その他部局等, 教授 (20310146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 宏明 盛岡大学, 文学部, 教授 (60275584)
庄司 達也 東京成徳大学, 人文学部, 教授 (60275998)
城崎 陽子 國學院大學, 文学部, 講師 (20384000)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 折口信夫旧蔵資料 / 資料研究 / 自筆原稿 / 受取書簡 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究推進の経緯について】折口信夫旧蔵資料の整理、調査、分析について、平成26年度に引き続いて、各研究分担者において作業を推進した。作業推進の経過については、平成27年7月18日(第1回)、同10月24日(第2回)、12月9日(第3回)、2月9日(第4回)の研究会議を開催し、調査研究進捗状況及び今後の研究推進方法について交々発表、討議をを行い、情報を共有した。 【研究実績の概要】整理、調査、分析については、平成26年度の協議によって決定した分野と方法に基づいて、行った。庄司達也は受取書簡のうち昭和4年から8年にかけての受取書簡の外形的事象(差出人、差出年月日、消印日付、その他)を整理し、基本的なデータベースの枠組みを形成、その内容を改めて各書簡内容と突き合わせているところである。城崎陽子は昭和初期に折口信夫が改訂を試みた『口訳万葉集』の原稿(牛島軍平氏筆記のもの)を通読してその内容を精査、分析、従前の認識との祖語を確認した。須藤宏明は、折口信夫の同時代文学(川端康成など)とのかかわりを調査した。松本博明は、旧蔵資料の整理と複写を続け、特に自筆原稿の整理をほぼ完了し、データベースの最終確認をしているところである。また、折口信夫に関わる生活資料の整理を進め、その内容を分析、当時の居住地周辺の生活環境を精査することで、折口信夫の生活面での状況を明らかにしている。さらに、「古代研究」第4稿の数所の自筆テクストについて、テクスト間の相違を分析し研究発表した。また旧蔵資料の中の民俗学資料について整理し、その概要を研究発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度当初は折口信夫資料を所蔵している國學院大學折口博士記念古代研究所の資料管理体制との調整に難航して、所蔵資料の披見が十分に行わなかったが、後半にその課題が幾分解消した。しかしそうした状況下によって、整理確認作業が若干遅れている。また、各人の個別整理、調査、研究を優先したため、研究会、シンポジウムなどの開催を最小限にしたために、その分の経費が執行されないでいる。これらについては、平成28年度に十分な形で執行していく計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であることから、整理と解読、分析を加速化するとともに、研究分担者(庄司達也)が所属大学を変わったために予想される時間的制約については、そのほかの各共同研究者(具体的には松本博明、須藤宏明)において業務を広げる形でサポートし、遅れが出ないように調査研究を推進していく。また研究会、シンポジウムさらには学会発表、論文発表を通じて、当該研究の成果を逐次公開してゆく。
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Causes of Carryover |
膨大な資料の解読に時間を有したため、出張回数を確保できなかったことがあげられる。また、國學院大學折口博士記念古代研究所の資料管理体制が、教員一人で行われていることで、十分な披見日を確保できなかった。そのために、出張費等で執行算が残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度として、研究時間を十分に確保して、整理と解読を行っていくこととするために、平成27年度よりも本格的な資料調査旅費を必要とする。また、平成27年度に計画していた成果発表等に今年度旅費、投稿費用等が必要となること、研究会、シンポジウムなどを企画していることから、経費が予定より増大することが見込まれ、平成28年度請求した助成金と合わせた金額が必要となる。
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Research Products
(2 results)