2014 Fiscal Year Research-status Report
朝鮮総督府発行教科書・教授書・編纂趣意書に見られる「同化思想」の形成について
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26370260
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Research Institution | Saga Women's Junior College |
Principal Investigator |
長澤 雅春 佐賀女子短期大学, その他部局等, 教授 (00310920)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 植民地教育 / 朝鮮総督府 / 朝鮮教育 / 国語教育 / 教科書 / 同化政策 / 朝鮮文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまで韓国で収集してきた朝鮮総督府発行教科書及び朝鮮教育資料、文学、雑誌などをもとに、同化政策や朝鮮教育の全体を把握しようとするものである。本研究の資料は多岐にわたるため、資料の整理がきわめて重要な手順になっている。 平成26年度作業は①資料劣化のため早急なPDF化作業を行った。相当数の資料に及ぶため、資料の電子化にはかなりの時間を要することになった。すでに判読の困難なページも少なくはなかった。②『京城日報』を第161巻~第206巻までの66巻を購入し、昭和10年代の朝鮮教育に関わる記事の整理を行った。だがこれについてはまだ多くの進捗を見せてはいない。 ③釜山広域市立市民図書館、国際日本文化センターにおいて資料の複写収集を行った。 ④平成25年2月にシドニーにある崔洋姫氏自宅で数日間にわたって行ったインタビュー記録のビデオ起しと整理を行った。(崔洋姫氏とは、昭和10年代朝鮮において文学雑誌『国民文学』を主宰した京城帝国大学専任講師だった崔載瑞の長女である。解放後を豪州へと移民していたため、『国民文学』発刊当時の家族の状況について、筑波大学吉原ゆかり氏、東北大学佐野正人氏とともにインタビューを行っていた。研究代表者:吉原ゆかり氏「挑戦的萌芽研究 帝国日本の英米文学高等教育―台北帝国大学、京城帝国大学、東京師範学校を中心に」による)。 ⑤朝鮮教育制度及び朝鮮教育論についての資料収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最大の懸案であったこれまで収集してきた複写資料の電子化がほぼ達成できた。ただこの作業にはファイルのタグ関連付けが必要となるが、これはまだ完成されていない。 朝鮮教育制度についての子細な読み込みと考察は平成27年度も引き続き行うが、不足していた資料の収集はだいぶ得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
朝鮮教育制度史と学務者における朝鮮教育論を関連付ける作業を行いたい。それを年表化して俯瞰できるようにする。朝鮮総督府発行教科書から『国語読本』を中心に、先行する研究とを合わせて俯瞰していく。編纂趣意書、教授書などからも『国語読本』がもつ意図・内容を考察する。
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Remarks |
「近代日本と韓国・朝鮮半島」は、日本近代文学および国語・日本語の領域から近代現代の韓国・朝鮮半島へとアプローチを試みるテキスト・サイトです。本サイトは、日帝統治時代の朝鮮総督府編纂発行教科書及び韓国内図書館所蔵の日帝期和書目録のテキスト化、そして20世紀前半期の朝鮮半島を背景とする日本文学及び日本語文学のテキスト化を主たる作業・公開目的としています。(サイトトップより)
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Research Products
(4 results)