2016 Fiscal Year Annual Research Report
The Sense of Literary Property and Various Aspects of Originality
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26370274
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
園田 暁子 福岡大学, 人文学部, 教授 (00434564)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | イギリス文学 / 著作権 / オリジナリティ / 引用 / 伝統 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、19世紀から20世紀のカナダにおける「伝統」と「オリジナリティ」の概念の変遷について調査を行った。特に、イギリスの文学者の作品の受容におけるカナダの文化的特質について、アメリカにおける受容の違いと比較しながら検討を行った。 また、S.T.コウルリッジの『省察への導き』をもとに、著作において他者の作品を扱う際の問題について検討を加えた。本書は、ロバート・レイトン、ジェレミー・テイラーをはじめとする17世紀の聖職者たち、そしてコウルリッジ自身の宗教的・哲学的アフォリズムを収録、それらに編集者であるコウルリッジがコメントを付けるという形を取ったものである。本書の編集・出版の背景にある、コウルリッジの知識の共有とその利用についての意識を当時の文学作品に関する著作権法と文化的背景の中でとらえることを目指して、調査・研究を行った。また、本書が、イギリスでの出版後、ジェームズ・マーシュによってアメリカ版が出版されて版を重ね、他の編集者による版も出版される過程についても調査した。 上記の研究のために必要な書籍を購入するとともに、イギリスのブリティッシュ・ライブラリーと郵便博物館において、17世紀末以降出版されたレイトンの著作、オリジナリティと剽窃の問題について取り上げた雑誌記事、当時の郵便事情についての調査を行った。 本年度の研究の成果の一部については、コウルリッジの『省察への導き』については、2017年に出版予定の共著書において発表予定(原稿提出済)で、また、2本の論文をまとめているところである。
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Research Products
(3 results)