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2014 Fiscal Year Research-status Report

19世紀イギリス小説における「スキットルズ」の痕跡研究

Research Project

Project/Area Number 26370292
Research InstitutionSophia University

Principal Investigator

永富 友海  上智大学, 文学部, 教授 (60305399)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords高級売春婦 / 乗馬 / ハイド・パーク / スキットルズ / 1860年代 / センセーション・ノヴェル
Outline of Annual Research Achievements

1. Skittlesへの言及がある書籍および 書簡集の収集を、彼女と深い関係のあったWilfred Scawen Blunt, William Gladstoneを起点としておこなった。Gladstoneについては、彼のsexualityをめぐる最近の研究を集中的に調査した。
2. Skittlesの人脈を辿っていく過程で浮上してきた人物関係をつなぐ言説のひとつとして、19世紀に流行していた「水療法」(water cure, hydropathy)に着目し、Malvern museumで調査、資料収集をおこなった。
3. 購入不可の書籍資料については、夏季休暇を利用してロンドンのブリティッシュ・ライブラリーで、約一週間かけて史料収集をおこなった。国内の大学図書館に所蔵されている書籍に関しては、所属大学の図書館を通じて貸借をおこなったり、また日帰りの調査、資料収をおこなった(9月12日:国立民族博物館;3月23日:京都女子大学)
4. 19世紀イギリスにおける売春婦の表象をめぐる研究書の収集に努めた。スッキトルズと乗馬の繋がりから、女性の乗馬を扱った小説群の精読(Jane Eyre by C. Bronte, Lady Audley's Secret by E. M. Braddon, Daniel Deronda by George Eliot)に努めた。
5. 海外でのヴィクトリア朝研究の動向を把握するため、AVSA(Australasian Victorian Studies Association)の年次学会(於香港大学)に参加した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1. 資料収集に関しては、順調に進行している。Skittlesに関する研究書はきわめて少ないが、わかっている範囲の資料は、順次収集に努めている。
2. 当初の計画では、G・エリオットの『ダニエル・デロンダ』という作品に女性の乗馬シーンが頻出することに気づいておらず、そのため初年次の計画に多少の変更が生じることとなった。
3. 学科の役職のため、例年のように英国で開催されるヴィクトリア朝関連の学会、研究会に出席する回数がかなり減っており、重要な情報源への接触が少なっていることが多少の痛手である。
4. 昨年度完成予定であった英語論文の執筆がやや遅れており、ネイティヴ・チェックをまだ受けていない状態である。

Strategy for Future Research Activity

1. Skittlesの資料収集については、ロンドンのMary Evans Picture Libraryで19世紀の売春婦の表象に関する当時の文献を入手できることが判明しており、その線を辿ることで成果を挙げることができるだろうという目途が立っている。Web上で入手可能なものについてはWebで、貴重書については夏季休暇を利用してLibraryを訪問し、文献の複写依頼をする。
2. George Eliotの『ダニエル・デロンダ』は、引き続き乗馬のシーンの表象分析を続行しつつ、Eliotがどのようにしてハイド・パークでの乗馬風景を作品に取り込むことになったのかを、伝記や書簡集、Eliotの周辺人物を探ることで明らかにする。
3. 今年度はW. S. ヘイワード、ブレイスブリッジ・ヘミングの作品収集を精力的におこなう。
4. M. E. ブラッドンの長編小説――ヒロインと乗馬が関連付けられている作品の読解、分析に着手する。

Causes of Carryover

執筆中の英語論文の完成が遅れてしまい、外国語論文校閲のための謝金として計上していた分が未使用におわってしまったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

執筆中の論文を完成次第、ネイティヴ・チェックを依頼し、謝金を支払う。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 『遠い山なみの光』における差異と反復2015

    • Author(s)
      永富友海
    • Journal Title

      英国小説研究

      Volume: 25 Pages: 未定

URL: 

Published: 2016-05-27  

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