2014 Fiscal Year Research-status Report
“Home”を離れた女性たち:グローバル化時代のアイデンティティ
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26370313
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
澤田 知香子 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (00456493)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 英語圏文学 / 現代女性作家 / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 本研究の主要な考察対象であるミュリエル・スパーク以外の現代女性作家による一次テクストの検討を行った。当初より取り上げる予定であったアンジェラ・カーターの作品と関連資料の整理、また、新たに開拓していたカナダ圏の女性作家によるテクスト考察を順調に進めることができた。 2 前年度末に科研課題研究の一環として招聘したミュリエル・スパークの伝記著書、マーティン・スタナード氏をレスター大学に訪ね、予定通り、スパーク・アーカイブについての取材等を行った。また、時間の制限はあったが、大英図書館での資料収集もいくらか行った。 3 ポルトガルで行われた国際学会 "Identity: Representation and Practices" において、"Girls Are Not at Home: Exiled in Colony" と題し、課題の主要テーマのひとつ "home" と女性をめぐる口頭発表を行った。 4 本課題二年目に実施予定の海外研究者招聘計画を立て、準備を整えることができた。 5 前科研課題から本研究課題の橋渡しとなるテーマで、上記1に挙げた研究対象のアンジェラ・カーターなどを取り上げて論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1 本研究の考察対象をより広い分野を含めて概観したうえで作家やテクストの検討を進めたことで、研究の方向性がより具体化された。 2 イギリスの研究者との交流を深めたことが資料収集に役立ち、海外研究者招聘を研究に生かす活動を継続的に行えている。 3 研究課題の口頭発表を国際学会で行い、本課題関連のテーマを含む論文を執筆し、研究成果の発信を早い段階で行う事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1 一次資料研究と批評・理論研究:初年度の研究成果を基盤にし、引き続き、テクストと資料の考察を深める。本研究最終年度に中心となる考察対象の研究へ収斂していけるよう、あらたな研究分野(カナダ文学)やその他の作家研究についての考察を整理していく。 2 資料収集とテーマ研究:これまで通り、英国のアーカイブや国立図書館における定期的な資料収集で視野を広げるとともに、国内外の学会への積極的参加により、"diaspora"や”exile"を扱った研究への理解を深める。 3 海外研究者招聘:27年度には現在活躍中のカナダの女性作家を招聘する予定なので、科研課題に関する意見交換を行い、この貴重な機会を研究成果に反映させ、また、所属研究機関における研究活動の成果還元として役立てる。
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Causes of Carryover |
出張旅費等との兼ね合いで予算オーバーしないよう物品購入分を調整しようとした結果、海外図書など年度内の納品等が困難なものもあり、次年度への繰り越し額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の助成金については前年度購入予定にしていた図書購入に使用する。 翌年度分の使用計画としては、申請時の計画通り、1)国内外の学会で情報・意見交換を行うため、また、イギリスでの資料収集・調査のための出張費、2)海外からの研究者招聘に関わる経費や謝金(平成27年6月26日にカナダ人作家・カルガリー大学准教授ラリッサ・ライ氏招聘)、3)研究資料の購入費等に充てる。
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Research Products
(3 results)