2015 Fiscal Year Research-status Report
“Home”を離れた女性たち:グローバル化時代のアイデンティティ
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26370313
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
澤田 知香子 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (00456493)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 英語圏文学 / 現代女性作家 / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 本研究の主要な考察対象であるミュリエル・スパークについて、予定通り、スコットランド国立図書館で新着資料を中心にアーカイブ調査を行い、大英図書館でもより広範囲にわたる関連資料の検討を行った。 2 前年度に参加した国際学会での口頭発表を基にしたものを含め、研究課題のキーワードとなる “exile”や “home” そして女性作家に関する論文を二編執筆した。また、課題関連で新規に研究を深めていたカナダ文学分野でも論文一編を発表した。 3 カナダの現代女性作家研究を進める中、日本カナダ文学会の年次大会を運営委員として所属機関において開催し、現在活躍中の女性作家二名(ヒロミ・ゴトー、ラリッサ・ライ)を招聘して講演会を実施することで、研究成果を教育の場にも還元した。 4 主な研究テーマである作家スパークの生誕100周年(2018年)を視野に入れ、スコットランド国立図書館で新規に設けられたMuriel Spark Project の担当者となるキュレーターとコンタクトをとり、意見を交わした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1 地道なアーカイブ調査により新たな重要資料・情報を継続的に得て、本課題考察対象の研究を着実に発展させられている。 2 海外研究者への積極的な働きかけを通して主たる考察対象についての研究状況・最新情報を得ることができ、課題関連で開拓してきたカナダ文学の分野においても積極的な研究活動を行うことができた。 3 上述の研究活動の成果として3編の論文を発表し、あらたな課題につながる研究成果発表の準備に着手できている。
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Strategy for Future Research Activity |
1 一次資料研究と批評・理論研究:本課題初年度と今年度に行った研究をふまえ、さらなる成果発表を行う。それらの成果に基づきつつ、主たる考察対象をめぐる新たな課題についての考察を深めるべく個々の作品・資料分析を続ける。 2 資料収集とテーマ研究:1と同じく、これまでの研究活動を成果として発表する。同時に、主たる考察対象について現地英国で定期的なアーカイブ調査を中心とする資料収集を行い、国内外研究者との交流をさらに広げ、深める。 3 海外研究者招聘:27年度には二名の現役作家を招聘し、研究を推進し、成果還元という目的も果たせたので、本課題最終年度も同様の活動を行う。
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Causes of Carryover |
所属機関における英語カリキュラム責任者としての職務により一年を通じて多忙をきわめ、関連課題を学ぶための国際学会参加や資料調査のための海外出張の回数や期間が予定通り確保しきれなかった。また、海外研究者を招聘するにあたり、非常に運良く本人の来日計画にあわせることができたため支払予定の旅費を節約する事ができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の助成金については、27年度に予定より控えざるを得なかった、海外での情報収集のような研究活動を最終年度に補うかたちで役立てる。 翌年度分の使用計画としては、申請時の計画通り、1)国内外の学会で情報・意見交換を行うため、またイギリスでの資料収集・調査のための出張費、2)海外からの研究者招聘に関わる経費や謝金(スコットランド国立図書館、ミュリエル・スパーク・プロジェクト・キュレーターの Dr Colin Mcilroy と交渉中)、3)研究資料等の購入に充てる。
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Research Products
(4 results)