2016 Fiscal Year Research-status Report
島嶼からとらえるアメリカ文学ー孤立主義のレトリック再考
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26370324
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| Research Institution | Wayo Women's University |
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Principal Investigator |
佐久間 みかよ 和洋女子大学, 人文社会科学系, 教授 (00327181)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | １９世紀アメリカ文学 / 島嶼 / ハーマン・メルヴィル / 病い / ラルフ・ウォルドー・エマソン |
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| Outline of Annual Research Achievements |
19世紀アメリカ文学の状況を作家の立場と出版から研究し、孤立主義的レトリックとの関連を探った。エマソンがアメリカ人に求めた独立心は、孤独の勧めでもある一方、不安を引き起こすものであったことを、メルヴィルの短編小説「バートルビー」の孤絶する主人公像に注目して研究した。
この研究結果を、2016年9月に九州アメリカ文学会支部会の招待発表で「アメリカン・ルネサンス期作家のキャラクターとコピーライト―国民性と個性という病い」として発表した。10月には、日本ソロー学会でシンポジウムを企画し、「Dissentとポリティクス」というテーマで、新田啓子氏（立教大学）、武田将明氏（東京大学）、山本洋平氏（明治大学）に発表を依頼し、権利に関する文学者の反応について意見交換を行うことができた。このシンポジウムをもとにした2017年度発行予定の『ヘンリー・ソロー研究論集』に論文の依頼があり、「ソローの市民的不服従と孤立主義」としてまとめた。同じく10月にデイヴィッド・ホール氏（ハーヴァード大学）を招き、初期アメリカ学会と共同し研究会を行い、大西洋を挟んだキリスト教の国際活動について意見交換を行った。
11月には、PAMLA学会（11月11日）で企画した"Literary Property and Character in the Nineteenth-century American Culture"のパネリストとしてMartin Kevorkian氏（テキサス大学）Bonnie O'Neill氏（ミシシッピ大学）宇沢美子氏（慶應義塾大学）深瀬有希子氏（実践女子大学）に発表を依頼し、この学会で作家と版権、国際状況についての意見交換が行えた。
また国際状況に関しラフカディオ・ハーンに注目し、彼の文学観と移動の軌跡をたどり論文としてまとめた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ハーマン・メルヴィルが南海の島について表した作品『タイピー』のアメリカ版での削除について、島と版権の関係での発表を準備し、メルヴィル国際学会での発表が認められた。この学会が2017年6月末にあり、これに合わせて研究を継続したものを発表したいため、期間の延長を行った。
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| Strategy for Future Research Activity |
メルヴィルが書いた南海の島を舞台にした作品『タイピー』において、アメリカ版で多くの削除が行われたことについて、従来のヴィクトリア朝的検閲という点だけでなく、作家の権利とアメリカの島嶼への眼差しの関係で整理し、2017年6月にロンドンで行われるメルヴィル国際学会で発表する予定である。この際にイギリスにおける作家の立場について知見を深め、アメリカが置かれていた事情の特殊性、また島嶼の持つ意義について、そこでの議論からアメリカの国際状況が反映されていることについて議論を深めたいと考える。これらを後にまとめ論文にすることで、本課題のまとめとしたい。
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| Causes of Carryover |
研究のまとめとして、ハーマン・メルヴィルの作品『タイピー』の英国版からアメリカの再版の削除に関して、島嶼と孤立主義のレトックの観点で見直せる確信をえた。この内容をメルヴィル国際学会で発表すべく、プロポーザルを送り発表が認められた。この学会が2017年6月末に開かれるため、学会での発表および、成果をまとめて論文としたいため、その費用を繰り越す手続きをとった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
費用は2017年6月28日からロンドンで開かれる国際メルヴィル学会の発表準備と旅費にあてる予定である。
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Research Products
(3 results)
