2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Historical Significance of American Mobility
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26370328
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大串 尚代 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (70327683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下河辺 美知子 成蹊大学, 文学部, 教授 (20171001)
新田 啓子 立教大学, 文学部, 教授 (40323737)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アメリカ河川 / モダニズム / 女性と移動 / 海洋 / アメリカ南部 / 西半球 / アメリカ西部 / 日本の民主化政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
共同研究最終年度の平成28年度は、3年間の共同研究をまとめるイベントとして、アメリカのコーネル大学英文科教授シャーリー・サミュエルズ氏を日本に迎え、活発な意見交換を行うとともに、今後の日米の共同研究について将来的展望を確認した。また、研究代表者である大串の本年度の研究はおもに戦後の日本民主化政策におけるアメリカ文化の果たした役割を検討することであった。特に日本の少女文化に特化して研究を進めてきたが、翻訳受容史またGHQ/SCAPによる翻訳プログラムの背景を調査することにより、日米の少女文化の接点の中に「西部」の表象があることを明らかにした。 共同研究者である新田は、多様な作家が作品中に残した米国の膨張主義に対する多方向にわたる応答を読み解く作業を推進した。とりわけWilliam FaulknerのGo Down, Moses(1942)とZora Neale HurstonのSeraph on the Suwanee(1948)について主題的な研究を行い、1940年代における両作家がともに、南北戦争敗戦後に凋落した南部の合衆国への再統合は、前者が後者の「外縁」たる西半球世界における覇権行動に合流することでなされているという批判的視座を有していたことを確認した。 下河辺は2016年度にあたる平成28年度は、海上のモビリティについての精神的・文化的意味をさらに深め、半球分割の歴史的意味をさぐり、編著『モンロー・ドクトリンの半球分割』を出版した。また、環大西洋的視点から新大陸アメリカの根源的位置をさぐるという目的から、ヴァージニア植民地でイギリス人がであったネイティヴアメリカンの女性ポカホンタスについての研究を開始し、その成果を2017年3月ロンドンで行われた国際会議“Pocahontas and after”にて発表した。
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Research Products
(6 results)