2014 Fiscal Year Research-status Report
アメリカン・ルネッサンス期の先住民作家William Apessとその文学
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26370339
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
小沢 奈美恵 立正大学, 経済学部, 教授 (80204197)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | William Apess / A Son of the Forest / 19世紀アメリカ先住民作家 / 先住民自伝 / アメリカン・ルネッサンス / conversion narrative / ピークォット族 / 強制移住法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度には、8月2日~10日までアメリカのハーヴァード大学図書館Widener Libraryにて、100点以上の関連論文や図書などの資料を収集し、持ち帰った。絶版になったり、手に入りにくい図書は、スキャンしてデータ化した。手に入りやすい図書は、科研費で購入した。 帰国後、資料を読み、19世紀アメリカ先住民の自伝というジャンルやWillam Apessの自伝A Son of the Forestについての考察をまとめ始めたが、もう一つ別の個人的研究課題(科研ではないが、この科研費応募前からの継続)があり、編著者としての責任があったため、そちらにも時間を割かなければならなかった。そちらの研究は、平成27年年4月23日に『映画で読み解く現代アメリカ―オバマの時代』越智道雄監修、小澤奈美恵・塩谷幸子編著(明石書店)として刊行され、完了した。これ以降は、本課題に重点的に力を注ぎ、遅れを取り戻す予定である。 平成27年年3月には、10月に開催される日本アメリカ文学会第54回全国大会に応募し、「アメリカン・ルネッサンスにおける先住民自伝――William ApessのA Son of the Forest」(Native American Autobiography in American Renaissance: William Apess’ s A Son of the Forest)というタイトルで発表の機会を頂いた。 平成27年度の8月頃までに、第2章第1節となる予定の「19世紀の先住民の自伝」というジャンルについて、まとめる予定である。 この夏には、アメリカのコネチカット州のMashantucket Pequot Museum&Research Centerの図書館でWilliam Apessと当時のPequot族などの先住民の状況に関する資料調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画のうち、アメリカのハーヴァード大学の図書館での資料収集と、科研費による必要図書購入は、予定通り行うことができた。夏期休暇の間に、資料を読みながらノートを取り、考察をまとめ始めた。 しかし、その後は、別の研究『映画で読み解く現代アメリカ―オバマの時代』(明石書店 平成27年年4月刊行 16人の著者による共著)を仕上げるために、編著者としての責任を全うする必要から、そちらに全面的に時間を割く必要があった。平成26年9月ぐらいまでに刊行予定であったが、様々な事情から遅れていたため、この科研の研究課題と重なってしまった。16人の著者から集まった原稿の編集作業、校正、その他の作業には、予想以上に時間がかり、昨年秋以降は全力をそちらに傾注する必要があった。そのため、予定していた第2章を書き上げることができなかった。 しかしながら、平成27年度秋に、日本アメリカ文学会での発表の機会を得ることはできた。平成26年度の遅れを取り戻すために、平成27年度は、本課題に集中して、これまで以上に努力していくつもりである。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 平成27年度の8月頃までに、第2章第1節となる予定の「19世紀の先住民の自伝」というジャンルについて、まとめる予定である。 2. 夏期休暇を利用して、コネチカット州のMashantucket Pequot Museum & Research Centerの図書館で、William Apess 関連と当時の先住民の社会的状況に関する資料収集を行う。また、Pequot族の人々が住む地域を視察し、その歴史や現状に関する情報を集める。 3.平成27年 10月の日本アメリカ文学会の第54回全国大会で、「アメリカン・ルネッサンスにおける先住民自伝――William ApessのA Son of the Forest」の発表を行うための準備を行い、内容を論文にまとめる。 4. 日本アメリカ文学会での発表終了後は、1 章に取り掛かる。当時の先住民の置かれた社会的状況を論文にまとめる。当時、強制移住でほとんどの先住民は立ち退かされていたため、東部に残留している先住民の存在は見えにくいので、この研究で明らかにする。William Apessと同様の先住民作家たちの系譜、Samson Occom、George Copwayら、記録を残した先住民を紹介する。
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