2015 Fiscal Year Research-status Report
北米及びカリブ海地域におけるツーリズムに対するコロニアリズムの影響と推移
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26370343
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
森 有礼 中京大学, 国際英語学部, 教授 (50262829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Armstrong C.J. 中京大学, 国際英語学部, 教授 (30350979)
杉浦 清文 中京大学, 国際英語学部, 准教授 (40645751)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ツーリズム / カナダ / アメリカ南部 / カリブ海 / アンティグア / ネオコロニアリズム / ロード・ナラティヴ / 移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、カナダ、アメリカ合衆国およびカリブ海諸国におけるツーリズムの展開に関するネオコロニアリズムの問題について、文献実証的に批判的検証を行うもので、3年間の研究期間を想定し、研究代表者である中京大教授・森有礼および2名の研究分担者(同大教授・クリストファー・アームストロングおよび同大准教授・杉浦清文)からなる。 平成27年度は、カリブ海地域(アンティグア)の現地調査の実施とともに、研究成果の中間報告として、論文刊行および国際シンポジウムでの報告を行った。具体的には、森、アームストロング、杉浦の三名は、名古屋大学大学院国際言語文化研究科との共同企画による国際シンポジウム"Mobility" and North American Literature/Cutlureにおいて、パネルセッション"Imaginary Tour Through America"にて研究発表と意見交換を行った。併せて、同シンポジウムの基調講演企画として、ニュー・ブランズウィック大学セント・ジョン校の准教授のジョゼフ・ガルボ氏を講師として招聘し、講演"Cultural Heritage in a globalized Mobile World: Italy's Faustian Bargain with Trourism"を行った。同シンポジウムは2016年3月20・21日に名古屋大学にて開催され、延90名の参加者があった。また同講演の関連企画として同氏の特別講演とラウンドテーブル"Tourism and the Postcolonial:Perspectives from Europe and the Americas"も開催した。同講演は2016年3月23日に中京大学で開催され、7名の参加者があった。またアームストロングは研究成果報告として論文2本を、杉浦は同著書1冊(共著)を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、3名の研究者が共同相互に基礎研究を行い、その成果に基づいて共同研究企画を開催する予定であった。平成27年度は、昨年度に実施できていなかった杉浦担当の現地調査と資料収集が実施され、昨年度実施調査を行った森・アームストロングとの共同研究発表を実施することができた。また、同研究の成果測定のため、外部から優れた研究者を招聘し、特別講演・ラウンドテーブルを行い、研究内容の精査および意見交換も実施することができた。これは昨年度末に企画していた「大西洋ツーリズム」に関する講演企画を発展的に展開・再構成したものであり、名古屋大学大学院国際言語文化研究科の協力を得て、共同開催の形で実現することとなった。また昨年度の森の研究成果報告論文に加えて、今年度はアームストロング、杉浦も同様の成果報告論文をとりまとめることとなり、研究中途での成果達成を具体的な形として提示することもできた。 こうした成果から判断して、研究計画はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、平成28年度に共同研究者の個別調査を取りまとめ、さらに外部の研究協力者の援助を得たうえで、最終成果報告のためのシンポジウムおよび講演会を開催する予定である。現時点では、前者を平成28年度秋までに、後者を同年度末に、それぞれ開催する予定でスケジュールを調整中である。また、こうした外部研究協力者との共同研究成果を、新たに成果物として刊行すべく、出版助成などの獲得に向けた企画を検討・実施する予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度の使用額に2,682円分の残額(未執行額)が生じたが、これは研究者3名の予算執行に際して、必要な研究図書等を購入した際に、当該予算額に当たる金額の図書が含まれていなかったためである。年度末の時点で、購入目的の変更を意図していなかったため、その金額が未執行となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記未執行額は、平成28年度の執行予算に組み入れ、全体として満額執行を目指す。具体的には、次年度に予定されているアームストロング教授、杉浦准教授の海外研究旅行の予算に組み入れて執行するものとする。
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