2016 Fiscal Year Annual Research Report
Plural Avant-garde: Futurism and Gherardo Marone
Project/Area Number |
26370391
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
土肥 秀行 立命館大学, 文学部, 准教授 (40334271)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 前衛 / 未来派 / 短詩形 / ナポリ / イタリア |
Outline of Annual Research Achievements |
当初「研究計画」に記していたように、イタリア現地調査を続けつつ、日本にて資料の分析とまとめを行い、その上で各地の専門家を集めて研究会を開く目標を無事達成できた。2017年2月23日にナポリ東洋大学の会見場で開いた国際シンポジウム「ゲラルド・マローネ文庫:彼の時代1914-24」がそれである。ナポリ大学やバルセロナ大学の専門家たちと有意義な意見・情報交換ができた。目下、このシンポジウムの論文集を準備している。これが世に出てようやく本研究の最終目標である、ナポリとローマとブエノスアイレスの資料館の共同作業が実現したといえるだろう。 2016年末に刊行された論集『和田忠彦先生退任記念論集』収録の論文では、1940年代前半のパゾリーニの短詩形に関し新知見を発表している。 本研究が展開された主たる場のひとつ、ブエノスアイレスのダンテ協会図書館での調査が、シエナ外国人大学における2017年1月19-20日の大型の国際シンポでの発表につながった。南米のイタリア文学研究で現在最も高いレベルにあるアレハンドロ・パタ教授に招待を受けるという名誉に浴した。このシンポの論文集についても現在編集が進められている。 国内でも、伊語にて国際発信性の高い研究発表をすることができた。非常に稀な機会を得た。ここでは、本研究のテーマであるマローネの翻訳業に関わった下位春吉の1910年代の活動についてふれることができた。この際にまとめた論文をイタリアの学会誌に投稿予定である。 今後発表予定のものも含め、論文と研究発表のアウトプットの機会の多い一年であった。研究計画の最終年を飾るにふさわしい活動であったと自負する。こうして、開始したばかりの「イタリア新前衛派の軌跡と展開に関する総合的研究」(基盤研究B、研究代表)へとうまくスライドができている。
|
Research Products
(10 results)