2015 Fiscal Year Research-status Report
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26370392
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Research Institution | Wakkanai Hokusei Gakuen College |
Principal Investigator |
岩本 和久 稚内北星学園大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40289715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 陽一 天理大学, 国際学部, 教授 (20169056)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ロシア東欧文学 / ロシア美術 / スポーツ史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は19世紀後半から現代までのロシアにおけるスポーツ表象を分析し、ロシア社会におけるスポーツの意味や機能を検討するものである。また、国家と個人の対立の中で揺れたロシアのスポーツ表象の系譜を明確化し、ロシア文学・文化史の再構築をはかるものでもある。 2014年度は主に文学領域を対象に調査・分析を行い、ロシアにおけるスポーツ文学の系譜を明らかにしたが、2015年度はその成果を『スラブ研究』62号やユジノサハリンスク経済法律大学のシンポジウム論集に発表した。また、それらの研究をもとに、幕張で開催された国際中欧・東欧研究協議会(ICCEES)世界大会においてパネルを組織し、報告者として20世紀ロシア文学の研究者アイテン・イグナトヴァをモスクワから招聘した。 2015年度の新たな取り組みとしては、美術領域を対象とした調査・分析を行った。特にヴェネツィアやモスクワのビエンナーレに出品されたブルスキンやAES+Fによる最新の現代アート作品におけるスポーツ・テーマについて現地調査も行った上で検討し、そこで展開されている死の主題とアルカイックなスポーツ観を明らかにした。 ヴェネツィアとモスクワの調査については、北海道大学で開催した公開の研究会において報告した。この研究会ではまた研究分担者である大平陽一が、ソコル運動のロシアへの影響について報告し、スポーツとナショナリズムの関係について考察した。研究会にはロシア文化研究者の他にスポーツ史研究者も参加しており、学際的な意見交換を実現することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載された文学、美術領域の調査は申請書に記された計画通りに進行され、その成果は学術雑誌などに発表されている。海外調査、国際シンポジウムへの参加、研究会の開催といった活動もほぼ計画通りに実施されており、また海外の研究者との国際的な交流、専門領域を超えた学際的な交流も実現している。
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の計画では、2016年度は映画領域におけるスポーツ表象を対象に研究を行うこととなっている。インターネットなどのメディア環境を最大限利用する他、ロシア人研究者との交流を通じて、ひろく情報収集に努める。
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Causes of Carryover |
海外に発注を予定していた資料の納品が遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度に発注を行う。
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