2015 Fiscal Year Research-status Report
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26370416
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小川 利康 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (70233418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 守 日本大学, 文理学部, 教授 (70210375)
長堀 祐造 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (40208046)
飯塚 容 中央大学, 文学部, 教授 (60151239)
中村 みどり 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (30434351)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中国近現代文学 / 日韓共同研究 / 東アジアにおける魯迅受容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は韓国側研究者との連携を維持しつつ、個々のメンバーがそれぞれ個別の研究テーマの進展を図った。小川利康は、引き続き魯迅、周作人研究を行い、その成果を台湾慈済大学での国際シンポジウム、中国魯迅学会、台湾政治大学での東アジア現代中文文学国際シンポジウムで発表した。特に東アジア現代中文文学国際シンポジウムには昨年度の日韓ワークショップで共同研究を進めた朴宰雨、洪昔杓教授らとも一堂に会し、来年度2016年度に韓国で開催する時期ワークショップの打ち合わせも行うことが出来て、有意義なものであった。山口守は既成の中国文学の枠組みを超え、漢語もしくは華語という広い意味での中国語を共有しつつも、新たなアイデンティティの在処から新しい文学作品を創造する可能性を提示し、その具体例として台湾パイワン族作家リカラッ・アウーや中国チベット人作家アーライ(阿来)の研究を進めている。また、慶應義塾大学文学部創設125周年記念行事の一環として行った講演「交差する眼差し:巴金と芹沢光治朗」は長年にわたる巴金研究の成果の一部である。長堀祐造は魯迅、陳独秀研究を行い、その成果として著書「陳独秀 ――反骨の志士、近代中国の先導者」(山川出版社)を刊行したほか、論文「魯迅『狂人日記』材源考ー周氏兄弟とソログープ」を発表した。飯塚容は演劇(文明戯)研究と当代文学研究を行った。また、自ら主編として中国の外文出版社より中国当代文学作品を翻訳紹介する文芸誌『灯火』を刊行したことは特記に値する。中村みどりは陶晶孫研究、ジャポニズム研究を行い、「戦争下的記録与故事:陶晶孫発表於《新申報》的作品」が『資料与闡釈』(復旦大学)に採録される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度2014年度の国際シンポジウムの成功の基礎をもとに今年度も研究は順調に進んだと考えられる。2015年度末の段階では初歩的な計画段階にすぎないが、2016年度には梨花女子大学において洪昔杓教授が中心となって次期日韓ワークショップが開催される見込みで、すでに参加予定者候補の選定も始まる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度は本研究課題の最終年度に当たる。過去二年間の研究成果を踏まえて、本年度に予定されている次期日韓ワークショップを成功に導けるように研究者間の連携を図り、日韓の連携も強化して行きたい。
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Causes of Carryover |
予定していた書籍購入が間に合わなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度で購入できる見込みである。
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Research Products
(25 results)