2016 Fiscal Year Annual Research Report
The licensing condition and interpretive rules for adjoined elements, and principles concerning language processing
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26370439
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鎌田 浩二 千葉大学, 文学部, 准教授 (70296945)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 後置構文 / 右方移動現象 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画の目的は、「付加構文」に関してデータを充実させ分析を精密化し、Kamada(2009)で提案した諸仮説の一般化を通して、個別言語の解明だけでなく言語の多様性と普遍性についての研究に貢献することにある。本年度の行った具体的な内容は以下の通りである。 1.日本語の後置構文に関して、さらなる多様な資料を収集・作成した。これにより、当該構文の派生に移動が関与すると主張する先行研究には、経験的に問題があることをさらに示した。また、文法(統語論)とパーサーの関係を考慮することで、原理的に右方移動が不可能であることから、特に右方移動によって後置構文が派生される分析は、理論的にも問題があることを示した。また、複数の節を基底に仮定する分析のうち、特に削除が関与するものは、右方移動の場合と同様に原理的に不可能であることが分かった。この結果、当該構文の派生に移動が関与する可能性は極めて低く、基底生成の可能性が高いことが示された。さらに、「付加要素に対する認可条件」や「付加要素に関する意味解釈規則」によって、先行研究では説明不可能だった日本語後置構文の追加データが、基底生成分析の下では説明可能であることを示した。 2.その他:(1)「付加要素に対する認可条件」と「付加要素に関する意味解釈規則」が、後置要素に対し適用されるだけでなく、他の付加要素に対しても適用され得るかどうかを考察した。(2)右方移動現象と左方移動現象の統一的説明が可能か否かの考察をした。(3) 諸言語のデータを見直し、再整理をした
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