2014 Fiscal Year Research-status Report
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26370458
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
福盛 貴弘 大東文化大学, 外国語学部, 准教授 (00407644)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | トルコ語 / 音節数 / 持続時間長 / 2000文 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、トルコ語を含めたトルコ諸語のプロソディ―の通言語的研究をするにあたって、研究の基礎作業となる部分について、取り組んだ。 1.音節数増加と持続時間長との相関性に関する通言語的調査:これまで音節数の増加に対する持続時間長の増加との関係は、概ね正比例関係になれば音節リズムであるという仮説があった。この点に関して、国内では英語と日本語の対照研究としてしか検証されてこなかったが、筆者はトルコ語以外の系統の言語も含めた19言語(英、独、仏、露、中、葡(2種)、西、比、亜、尼、越、柬、朝、泰、蒙、土、東京、大阪)で検証を行なった。その結果、強勢リズムであろうと音節リズムであろうと、音節数の増加に対する持続時間長の増加における関係は概ね正比例の関係であることが検証できた。 2.二千文文例集の作成:アンリ・フレの「フランス語2000文」という文例集を、トルコ諸語でも適用できるようにはどのような手順をふめばいいのかを再考した。これまでのトルコ語における調査では対面調査で進めてきたが、翻訳方式で進める方が効率がいいという点を「大阪方言2000文」の作成において確認することができた。 3.静的パラトグラフィーおよびリンゴグラフィー:実験室に足を運ばなくても舌と口蓋の接触面を捉えることができる、古典的な静的パラトグラフィーおよびリンゴグラフィーの方法を検討した。今年度は、まず作業手順、作業仮説を確認することに専念した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
音節数と持続時間長の相関性においては、これまで英語と日本語のみで、英語は正比例にならず日本語は正比例になるという結果しか得られていなかった。しかし、19言語で検証した結果、どの言語も概ね正比例になるということが検証できた。これはプロソディ―における言語リズム、およびアクセントとの関連性を検証するための基盤を提示したことになり、そこから一般化を導くための基準ができたという点で、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
音節数と持続時間長の相関性については、言語データのまとめを公開した。ついで、各言語ごとの傾きから正比例の程度差を比べ、強勢リズムや音節リズム、強さアクセントや高さアクセントや声調との関連性を検証していく。 2000文やパラトグラフィー、リンゴグラフィーについては、作業手順および作業仮説の確認が終わったので、順次作業を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度に予定していた言語調査のための出張が諸般の事情により規模が短縮したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
言語調査の出張費用として用いる。
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