2015 Fiscal Year Research-status Report
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26370466
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
前川 貴史 龍谷大学, 社会学部, 准教授 (50461687)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 言語学 / 統語論 / HPSG / 数詞 / 名詞句 / 前置詞 |
Outline of Annual Research Achievements |
制約に基づく文法理論である Head-driven Phrase Structure Grammar (以下 HPSG)の枠組みで、英語の特徴的な名詞句の形態的・統語的な構造を明らかにし、それがどのような理論的帰結をもつかを研究した。下記に概要を述べるが、これらは昨年度行った研究を修正・拡張したものである。
第1に、over three weeks のような、前置詞・数詞・名詞によって構成される名詞句である「前置詞つき数詞構造」の統語的な特性を考察した。前置詞つき数詞構造の統語的ふるまいを観察した後、それらの特性が前置詞の語彙的特性から導かれることを論じた。本研究の成果は、六甲英語学研究会(2015/6/7)とイギリス言語学会の年次大会(2015/9/17)において口頭発表した。
第2に、these sort of students のような、「限定詞・sort/kind/type・of・複数名詞」という構造を持つ名詞句の特殊性を明らかにした。「sort 名詞」と総称する sort/kind/type という語彙は単数可算名詞であるので限定詞を必要とするが、その制約は複数形限定詞で満たされている。この名詞句のなかで、sort 名詞が主要部なのではなく、修飾語の一種である functor として機能しており、主要部は of の後ろの複数名詞であることを明らかにした。この研究は、The 22nd International Conference on Head-Driven Phrase Structure Grammar (2015/8/11, Nanyang Technological University :シンガポール)で口頭発表し、同学会の proceedings に論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を開始した2014年度から2015年度までで、口頭発表5本、論文2本として発表しており、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
各種の学会や研究会に積極的に参加することで、情報収集を行いたい。国際学会・国内学会において研究の成果の一部を発表し、他の研究者と意見交換を行う。2016年度は、HeadLex 2016 : Warsaw Joint Conference on LFG & HPSG での口頭発表を行う予定である。最後に、主要な学術誌(例えば English Linguistics、Linguistics、Lingua など)に2015年度の研究の成果の一部を投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
345,811円の次年度使用額があるが、これは、コンピューターの購入を考えていたが購入の手続きを次年度に回したためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
各地の学会・研究会に参加することで情報収集を行い、また積極的に研究の成果を発表し、他の研究者と意見交換を行いたいと考えている。
また、新しいコンピューターを購入し、データの収集・保存に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)