2016 Fiscal Year Annual Research Report
An HPSG approach to morphology and syntax of English noun phrases
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26370466
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
前川 貴史 龍谷大学, 社会学部, 准教授 (50461687)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 英語 / 統語論 / 形態論 / 名詞句 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、制約に基づく言語理論である Head-driven Phrase Structure Grammar(以下HPSG)の枠組みにおける、英語の名詞句の構造についての研究である。一般の名詞句とは異なる独特の振る舞いを示す名詞句の形態的・統語的な特殊性が、HPSGの枠組みにおいては一般性を損なうことなく説明できることを示した。また、その議論がどのような理論的帰結を導くかについても考察した。 今年度はまず、these hundred students のような、「限定詞+seminumeral+名詞」の構造をもつ名詞句の特殊性を議論した。Jackendoffにならって seminumeral と呼ぶ hundred や thousand などの数詞は単数可算名詞であり、文中に現れるためには限定詞を必要とする。上記 these hundred students の構造ではその制約は these で満たされている(*(these) hundred students)。しかしその限定詞は複数形であり、単数形であるhundred との間には数の不一致が見られる。この問題について、seminumeral は HPSG 理論において functor と呼ばれるものの一種であると考えることによって、自然に説明がつくことを明らかにした。 次に、these size shoes のような名詞句の構造についても同様の分析が可能であることを実証した。限定詞の義務性と数の一致が不可分であるようなメカニズムを持つ従来の分析では、この構造をうまく捉えることができないことを明らかにし、限定詞の義務性と数の一致にそれぞれ独立したメカニズムを仮定する(Van Eynde 2006, etc.)ことにより、特殊な一致形態をもつこの構造に自然な説明を与えた。
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Research Products
(3 results)