2016 Fiscal Year Research-status Report
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26370475
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 正人 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (90337410)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | フィールドワーク / ドラヴィダ語族 / オーストロアジア語族 / ムンダ語派 / コルワ語 / クルフ語 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年度行ったクルフ語の文法記述に引き続き、語彙集の作成を行った。近年刊行されたクルフ語書籍、特に自身も編集にかかわった Bablu Tirkey のクルフ語の著作集 Khatrka Ropnas gahi Tungul (貧しいロプナの夢)と Sawa Rupiya Khatri (1.25ルピーのために)、および Dawle Kujur の Munta Pump Jhumpa (初めての花束)を中心として、補助的に民話を書き起こした資料から未収録語彙を集めた。その上で、インドから招聘したクルフ語話者と行った共同研究において、それら未収録語の語義を聞き取り調査し、約1万語からなる語彙集を完成させた。また、近隣言語の研究者の協力を得て、語彙集に付する語源も充実させることができた。 クルフ語の文法と語彙集の公刊については、オランダの出版社 Brill と打ち合わせ、2017年中に Brill's Studies in South and Southwest Asian Languages から刊行することとし、3月に最終原稿を提出した。
もう一つの研究対象である、オーストロアジア語族のコルワ語については、2016年度までに録音した民話資料の書き起こしと翻訳を基に、動詞などの語形を収集している段階である。民話は過去の語りを基調とするため、しばしば複数の過去形が現れるが、書き起こして訳した調査データをもとにそれらの過去形の指す時間範囲に関する一般化を行い、2017年3月にインド・プネー市のデカン大学で開催された International Seminar of Munda Linguistics において The Past Suffixes of Hill Korwa として口頭発表した。この学会の参加者から、シカゴ大学で1960年代に行われた調査の録音資料をもらい受け、それも補助的資料として使用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はコルワ語話者の病気のため、コルワ語に関しては十分な調査を行うことができず、電子メール等の補助手段によって補強せざるを得なかった。一方、クルフ語に関しては語彙集、文法記述ともに想定以上の進展があり、成果を単著の本として公開できる見通しとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度はコルワ語の調査の遅れを取り戻す必要があり、可能であれば夏春二回の調査を行って、テキストの収集を加速させるつもりである。クルフ語については、単に文法記述を出版するだけでなく、それに基づいた研究を口頭発表または論文の形で発表することを考えている。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] エルンガ・コルワ語民話『虎の花嫁』2016
Author(s)
Masato Kobayashi, Sudhni Bai
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Journal Title
東京大学言語学論集
Volume: 37
Pages: e41-e53
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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