2017 Fiscal Year Annual Research Report
Complexification in the South Asian languages in hill areas
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26370475
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 正人 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (90337410)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | クルフ語 / ドラヴィダ語族 / コルワ語 / オーストロアジア語族 / ケルワル語 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である今年度は、クルフ語の成果刊行に最大の時間を費やした。クルフ語の文法記述は昨年度までに一応の完成を見ていたが、現地調査と話者を招聘した調査によって、例文をすべて再チェックして、非文でないこと、分析の正しいことを確認し、英文320ページの文法記述を完成させた。テキストについては、厳選して語注と訳をつけた約240ページのテキストをやはり再チェックし、また辞書についても、編纂した13,000の語彙項目について、正確な語義を付すように努力した。その結果、英文800ページ弱の言語記述を2017年9月にオランダ Brill 社の Brill Series of South and Southwest Asian Language シリーズから The Kurux Language として刊行することができた。そのほか、オリッサ州で話されるクルフ語に近い言語であるキサン語の現地調査も行い、クルフ語の女性間活用に相当する形を通常の活用形の一つとして男性も使うことなどを発見した。 コルワ語に関しては、調査協力者の健康問題があって昨年度調査ができなかったが、今年度は聞き取り調査を実施して、テキストの分析も進め、テキスト「蛍の婿」の分析を論文として1件、また動詞の時制接辞に関する研究を口頭発表としてインド・プネー市のデカン大学で開催された国際セミナーで発表した。その中で、コルワ語に見られる時制接辞 -ked, -ker と -ak はおそらく同じ完了の機能をもち、-ne, -ya は -tan, -ter と同じ過去の機能をもつことを指摘した。この成果は近く論文として出版される予定である。
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Research Products
(11 results)