2016 Fiscal Year Research-status Report
仏語圏アフリカ諸国におけるアフリカ諸言語の書記言語としての発展状況に関する研究
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26370495
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
砂野 幸稔 熊本県立大学, 文学部, 教授 (60187797)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 旧フランス領アフリカ諸国 / アフリカ諸言語 / 書記化 / ウォロフ語 / セネガル / プレザンス・アフリケーヌ |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続きフランス語圏諸国におけるアフリカ諸言語の状況に関する文献および各種情報を収集するとともに、アフリカ諸言語の書記化について、植民地期、とくに第二次大戦後から1950年代にかけての旧フランス領アフリカ植民地の知識人がどのようなことを行っていたかを、第二次大戦後に創刊された『プレザンス・アフリケーヌ』誌における議論を中心に検討し、一部のアフリカ人知識人が主要なアフリカ諸言語の「国語」化を主張し、セネガルでは一時期ある程度具体的な政治プログラムとしても存在していたことを確認した。 8月にはセネガルにおける調査を行い、1950年代にウォロフ語の書記化のためのプロジェクトに加わり、現在もウォロフ語文学作品を発表し続けている作家のシェク=アリウ・ンダオ氏およびウォロフ語による識字活動とウォロフ語文学作品の出版を行うNGOを主宰する元ダカール大学黒アフリカ基礎研究所教授アラム・ファル氏へのインタビューを行った。二人から1950年代から1970年代にかけてのセネガルにおけるウォロフ語書記化の運動について詳細を聞くことができ、同時にウォロフ語出版活動の現状についても情報を得ることができた。 web上のウォロフ語サイトについても継続して活動状況を注視している。 文献研究としては、1990年代から出版が始まったウォロフ語文学作品についての研究にも着手した。 まだ大きな広がりを持つにはいたっていないが、ウォロフ語書記文化の定着のための活動が着実に行われていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査はセネガルについてのみ行っているが、webおよび各種文献を通じた情報収集およびパリでの調査によって、それ以外の地域についてもある程度の情報を得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、セネガルの研究協力者を招聘し、共同で学会発表を行うとともに、とくにセネガルにおける書記言語としてのウォロフ語使用の状況についてさらに研究を進める予定である。その他の地域については、各地の研究協力者とのメール連絡およびwebを利用した各種情報収集を通じて現状の把握を試みる予定である。
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Causes of Carryover |
残額は端数であり、ほぼ全額使用済み。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の通り。
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