2017 Fiscal Year Research-status Report
仏語圏アフリカ諸国におけるアフリカ諸言語の書記言語としての発展状況に関する研究
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26370495
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
砂野 幸稔 熊本県立大学, 文学部, 教授 (60187797)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ウォロフ語 / フランス語圏アフリカ諸国 / アフリカ諸言語 / 書記化 / セネガル |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続きフランス語圏アフリカ諸国におけるアフリカ諸言語の状況に関する文献および各種情報を収集するとともに、とくにセネガルのウォロフ語による現代文学の状況について、セネガルの研究協力者と連絡を取りつつ研究を進めた。1990年代から現代ウォロフ語文学の作品の出版が始まっているが、個別の作品についての研究も、作品の入手に努めながら引き続き行っている。 独立後の一時期は、アフリカ諸言語による識字と書記言語としての使用について、旧フランス領アフリカ諸国の中ではもっとも先進的であったマリについては、過去の調査でバンバラ語、ソニンケ語による出版活動についての情報を得ていたが、その後具体的な情報は得られず、治安状況の悪化の中で停滞していることが推測される。他の諸国については、識字活動のための文字化などを除けば、アフリカ諸言語の書記言語としての使用実態は確認できない。 平成29年5月には、研究協力者Mamadou Cisse(シェク=アンタ・ジョップ・ダカール大学教授)氏を招聘し、日本アフリカ学会において、セネガルのウォロフ語文学についての共同発表を行うとともに、情報交換を行った。 また、昨年度より継続している1950年代の『プレザンス・アフリケーヌ』誌におけるアフリカ人知識人の言語問題についての議論の研究を通じて、植民地期からセネガル知識人の言語問題についての意識の先鋭さが突出していたことを確認した。web上のウォロフ語サイトについても引き続き活動状況を注視している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H30年3月にセネガル現地調査を行う予定であったが、現地研究協力者およびウォロフ語作家等との日程調整がつかず、H30年度に延期せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
H30年8月およびH31年3月に、複数のウォロフ語作家、ウォロフ語サイト運営者等へのインタビューを通して、書記言語としてのウォロフ語使用の現状把握を試みる予定である。ただ、夏期休業中および春期休業中の限られた時期にしか現地調査を行えないため、日程調整がつかない場合は、研究成果のとりまとめ期間を考慮して研究期間の延長申請も視野に入れる。
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Causes of Carryover |
H30年3月に予定していたセネガル現地での調査が実施できず、残金を書籍等購入に充てた残金である。 H30年度に予定している2度の調査に必要な費用に充てる予定である。
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