2015 Fiscal Year Research-status Report
再構築現象の発展的実証研究:理論研究の先端で提案されたモデルの第一言語獲得実験
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26370497
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
木口 寛久 宮城学院女子大学, 学芸学部, 准教授 (40367454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 将一 青山学院大学, 文学部, 准教授 (70547835)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 第一言語獲得 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度においては、具体的な研究課題であるCleft構文とそれに関する再構築現象について、前年度までに得られた実証実験データをもとに、分析を推し進めた。 (1) It was John that he washed. (2) It was his mother that everybody kissed. (3) His mother kissed everybody. 上記三つの幼児を被験者とする実験パラダイムにて、(1)では"John"と"he"は同一人物ではならず、(2)では"his"が"everybody"を先行詞とすることができる。これらは焦点化された要素が元の動詞の目的語の位置で解釈を受けることで、説明ができる。また、(3)において"his"と"everybody"がいかなる位置関係でも束縛関係に入れることができないことも確認された。これらのことから、幼児の文法にも再構築現象が確認され、それはすなわち、幼児の文法にも抽象的なレベルが必要であることが示唆される。本年度、この研究の成果報告は、採択率の低い著名な国際学会(The 40th Annual Boston University Conference on Language Development)に入選し、11月にボストン大学にて口頭発表を行うことができた。その後、学会発表での質疑応答より得られた指摘などを念頭に置きながら、海外研究協力者と論文を執筆。完成した原稿を某国際学術雑誌に投稿することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度末に得られた実験データの分析も首尾よく進み、11月に著名な国際学会に入選することができた。また、ここで得られた実験成果を既に海外研究協力者と一本の論文にまとめることができた。以上のことから、昨年度から継続してきた実験に関しては当初の計画以上に進展している。しかし、それに続く実験については今年度中には実証実験を開始するに至らず、次年度以降持越しの案件となった。よって、研究プロジェクト全体としてはおおむね順調に進展していると言えるであろう。
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Strategy for Future Research Activity |
2月のオーストラリア・マッコリー大学CCD研究所での出張研究打ち合わせにて、海外研究協力者と新たに立ち上げることができた実験計画も実行へ推し進めていきたい。さらに、この期間に執筆した論文も最終年度中に、国際学術雑誌掲載決定を目指したい。
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Causes of Carryover |
当該年度の2月に海外研究協力者の所属機関への長期(2週間)滞在出張のため、直接経費の前倒しを行ったところ、想定より出張経費が安く済んだため、残金が生じた。並びに研究分担者による出張が当該年度は計画通りには行えなかったため、研究分担者の分担金にも次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究代表者の使用額については、国内出張の費用の補充分とする。研究分担者の使用額は研究分担者の分担研究における物品費として使用していただくこととする。
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Research Products
(3 results)