2015 Fiscal Year Research-status Report
英米ドラマコーパスに基づく英語口語表現の記述的研究
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26370510
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
新井 洋一 中央大学, 経済学部, 教授 (10151143)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 英語コーパス / 英米テレビドラマ / 口語表現 / 罵り語 / 俗語 / 隠語 / 卑語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は平成26年度から5年にわたる研究で、当初の3年間は、英米のテレビドラマのスクリプトの収集、データベースの構築、そして研究文献の収集をおこない、後半の2年間で、特に口語表現(罵り語、俗語、隠語、卑語を含む)を中心とした言語学的分析と考察をおこないながら、最終的な研究成果を仕上げる計画となっている。
1. 初年度から続く、インターネットからの約100話のテレビドラマのスクリプトの収集は進んだが、その分析研究を進めると、口語表現の中でも目的としている罵り語、俗語、隠語がほとんどないスクリプトがかなり含まれていて、研究分析に向いている適切なスクリプトを選び直す必要があることが判明した。その結果、3年目にあたる平成28年度は、一部のスクリプトの選定をやり直し、研究分析に適切な約100話のスクリプトの収集の達成を目指したい。 2. DVDメディアのテレビドラマの選定を進めたが、視聴に時間がかかるため、研究分析に適切なものかどうかの選定が思うように進まない結果になってしまった。しかし、20本ほどの研究分析に適したテレビドラマの選定ができたのは、次年度の選定の大きなステップとなった。 3. 所属図書館から該当する研究文献の選定を進め、研究文献の読み進め、研究対象表現の整理と絞り込み、該当する言語項目の基本的なまとめを進める事ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2年目にあたる平成27年度は、他の研究課題の終了年度と重なった上、出版した論文叢書の編集主査も兼ねていたため、なかなか思うように進めることはできなかった。また、収集したスクリプトを分析してみると、研究対象の表現がほとんどないものが多いことが判明した結果、もっと多くのスクリプトの収集の必要性を痛感させられたことも事実で、約5割近くのやり直しを迫られることとなった。 文字起こし業者への映像メディアの選定も、視聴にかなりの時間を必要とし、まだまだ文字起こし業者へデータ提供する段階まで達することができなかった。しかし、平成28年度は、本研究に専念できる予定なので、来年の3月までに遅れていた作業を取り戻すことは可能と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、昨年度までで遅れている、適切な該当表現を含むスクリプトの選定を9月末までに終えたい。 また、DVDメディアになっている作品の視聴をどんどん進め、電子化エンコーディング作業を年末までに終え、年明けまでには外部の業者へ文字起こし作業を依頼し、遅くも来年3月までにはデータとしての納入を完了してもらう予定である。最初の予定では、後から登場人物に関わる性別、年齢などのタグ情報を付ける考えであったが、文字起こし業者にそれらの情報を付加する作業をしてもらうことで、タグ付け作業をより効率的におこなう予定である。 なお、1990年以前の作品、および日本未公開で重要な作品については、研究計画に海外出張を加え、それらの作品の購入収集をおこなう予定である。 さらに前年同様、関連文献の収集と購入、および読解と整理とともに、罵り語、俗語、隠語、卑語などの表現で、特に重要なものの整理を進めると共に、収集データのさらなる分析を進めたい。
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Causes of Carryover |
平成27年度は、別の研究課題の最終年度で、出版した研究叢書のチームの主査として、論文集の編集も担当したため予想以上に時間をとられ、本研究にじゅうぶん時間を割くことができなかった。また平成26年度に収集したスクリプトの分析を進めてみると、研究課題のテーマに該当する言語項目や表現が少ないものが5割近くあり、再収集の必要性に迫られることになった。外部の業者に委託する予定のテレビドラマの選定も、それぞれの作品の視聴が思うように進まず、エンコーディング作業も延ばし延ばしになってしまった状況である。 しかし平成28年度は、他の研究課題はほとんどなく、本研究に専念できる予定であり、来年の3月までに遅れていた作業を取り戻すことは可能と考えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
特に遅れているDVDメディアの作品の視聴をどんどん進め、電子化エンコーディング作業と、外部の業者による文字起こし作業を、来年の3月までには完了する予定である。1990年以前の作品、および日本未公開で重要な作品については、研究計画に海外出張を加え、それらの作品の購入収集をおこないたい。 コーパスの構築を積極的に進め、特にそれぞれのドラマの登場人物の性別、年齢に重点を置いたタグ付けをおこない、検索抽出が可能なコーパス作成を実現したい。また前年同様、関連文献の収集と購入、および読解と整理をおこないたい。同時に、罵り語、俗語、隠語、卑語などの表現で、特に重要なものの整理を進め、収集データの分析研究を進めたい。
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