2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the language use of lawyers in court and interpreter-induced alterations and their impact on courtroom communication
Project/Area Number |
26370514
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
水野 真木子 金城学院大学, 文学部, 教授 (90388687)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 司法通訳 / 法廷尋問 / 法廷ディスコース / 弁護人接見 |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究のテーマは裁判で法律家が被告人質問や証人尋問の際に使用する言語表現が通訳を介することによってどう変容するか分析するとともに、その影響について検討することである。これには要通訳裁判の経験が豊富な法律実務家およびプロの法廷通訳人との協働が不可欠である。本研究でも、複数の法律実務家とプロの通訳人(英語、中国語、スペイン語)の参加により、それが実現できた。 今年度は、最終年度として、昨年度までに行った法廷での尋問の際や弁護人接見時に通訳を介することで生じる問題についての議論と分析結果を総括し、それを1冊のガイドライン『法律家の質問・尋問と通訳 要通訳裁判で注意すべきこと』(全74ページ)にまとめた。このガイドラインは、第1部が「法廷での質問・尋問に関する注意」、第2部が「接見時の通訳のあり方」となっているが、第3部として「通訳人の倫理」という章を設け、通訳人の倫理についても法律家の注意を喚起できる内容にした。 また、今年度は、韓国から同分野の研究の第一人者であるLee Jieun教授(梨花女子大学)を招へいし、本研究の協力者である法律実務家たちとの研究会(12月2日)を開催して情報交換するとともに、2016年度法と言語学会年次大会(12月3日)に基調講演者として招待し、韓国の司法通訳の研究についての最新情報を提供いただいた。 本研究の成果は、司法通訳を含めたコミュニティ通訳の国際学会であるCritical Link 8(2016年6月29日 エジンバラ)および司法通訳と医療通訳の国際学会であるFirst International Conference on Legal and Healthcare Interpreting (2017年2月24日 香港)で口頭発表するとともに、法と言語学会学会誌『法と言語』第3号に論文として発表した。
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