2016 Fiscal Year Research-status Report
早期日英バイリンガル2人からの17年間縦断データの分析研究
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26370518
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
田浦 アマンダ 摂南大学, 外国語学部, 准教授 (60388642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田浦 秀幸 立命館大学, 言語教育情報研究科, 教授 (40313738)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バイリンガリズム / 長期(17年)縦断研究 / ナラティブ / 日英バイリンガル / 言語間距離 / 脳賦活 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)データ収集に関して 縦断データ収集中の同時(早期)バイリンガル2名は二人とも社会人となっており、時間的な問題から残念ながら一人からしかデータ収集できなかった。内容は、口頭ナラティブ・インタビュー・言語流暢性タスク・バイリンガルストループ(認知葛藤)タスクの行動データとタスク遂行中の脳血流(近赤外分光法)データであった。英語力検証の為の英語ライティングタスクも実施した。過去一年間の言語使用歴についての聞き取りも同時に行った。 (2)当該年度収集データ分析に関して 当該年度収集のデータに関しては、ナラティブデータとインタビューデータの書き起こしを完了し、それぞれのテキストの語彙分析及び前者のポーズ長計測による流暢性下分析まで行った。脳賦活データに関しては、言語流暢性タスクの4種類別・左右脳半球別標準化データ生成まで行った。ライティングデータは、テキスト化と語彙分析まで行ったが、TOWL-3マニュアルに従った採点化と正確さ分析はまだ行っていない。一方16年継続の縦断データのナラティブ・言語面の分析に関しては、バイリンガルAからは当該年度収集分を含めて70個、バイリンガルBからは前年度までに64個のナラティブデータが収集済みである。この膨大なデータの書き起こしは完了した。次に下分析としてこれまでに、語彙分析と正確さ分析(4Mモデルに基づく形態素分析)の9割が完成した。前年度まで未着手のstory grammar分析を開始した。 (4)縦断データの脳賦活データ分析に関して 言語流暢性タスクに関しては、Aから収集済みのデータ6年分、及びBから収集の5年分の生データを標準化し、4種類タスク別にレストとの差分を算出できた。また、行動データの下整理も全て完成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
被験者の都合で、二名の被験者のうちで一名からしかデータ収集が該当年度できなかった。この不測の事態の為、データ収集が計画通りに進まなかった。一方データ分析面では、当初の計画以上に進み(134データのstory grammar分析に着手できた)、これまでの研究成果も発表できたので、総合すると概ね順調であると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本科研プロジェクトは最終年を迎えるので、年度前半に最終データ(口頭ナラティブ・インタビュー・言語流暢性・認知的葛藤タスクの行動データと脳賦活データ及び英語ライティングタスク)を二人から収集し、その分析も可能であれば前半中に終える。後半は、これまで続けてきた17年間の縦断データの下分析を完成させ(特にナラティブデータのstory grammar分析)、総合考察を行いたい。プロジェクト完遂後は、学会発表でのフィードバックを受けて、複数の論文か書籍化を計画している。
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Causes of Carryover |
データ下分析に関してstory grammar分析方法を確立できたが、外部委託までには至らず(最終年度前半予定)、謝金使途計画が次年度送りとなったのが大きな原因。また、研究分担者が当該年度後半期に在外研究となり、これまでの研究成果に対するフィードバックを得るための国際学会ので発表を1つ取りやめにしたののも一因。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度の総合考察を行うまでに、story grammarの下分析を外部委託し、フィードバックを得るための国際学会での発表は、最終年度前半期に計画している。トータルで4年間で計画していた通りの研究を遂行中であるが、若干の遅れのため、3年目後半に経費として必要であったものが、4年目(最終年度)前半に実施する。
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Research Products
(8 results)