2017 Fiscal Year Annual Research Report
A 17-yera longitudinal study on two early Japanese-English bilinguals
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26370518
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
田浦 アマンダ 摂南大学, 外国語学部, 准教授 (60388642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田浦 秀幸 立命館大学, 言語教育情報研究科, 教授 (40313738)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バイリンガル / ナラティブ / 長期縦断研究 / story grammar / 日英バイリンガル |
Outline of Annual Research Achievements |
日英バイリンガル2名(男女各1名)から17年間にわたって収集したナラティブデータに関して、story grammarの部分の分析を最終年度は行った。1名は5歳から、他方は8歳からのデータ収集開始であったが、両者ともstory grammarに関しては当初より全てのプロットに言及していて、差がないことが判明した。次ぎに対象の2名には4歳の差があるので、同年齢の時のデータ比較を行った。8歳の時のデータを比較すると、男児は当時英語圏在住であったので、登場する動物の鳴き声を入れたりして各場面の描写が細かく、その結果女児の物語よりもかなり長くなっていた。女児は英語圏在住を経て、8歳時には日本在住(公立小学校通学)であった為か、プロットを淡々と述べる部分が多く、英語ナラティブ自体は流暢であるが、日本語の所有格「の」等の転移が英語に散見された(in an oak tree's hole v.s. the hole of an oak tree)。14歳時には、男児は聞き手を意識した工夫が単語使用に散見された(最終場面で家族と一緒の場面で'nestled'を使い一言で家族の様子がわかる)。一方で女児のナラティブには、男児同様に登場人物の感情表現が含まれるものの、物語の重要なプロットを逃さず全て言及するのに重点が置かれ、簡潔性が全面で出た印象を受けた。25歳時には更に両者の差は拡大し、男性のナラティブは一層装飾性の高い文体となり、女性の方は物語の最大公約数を簡潔に描写する方向に進み、大きなコントラストが見えた。
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