2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26370520
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
田中 幹大 甲南女子大学, 文学部, 講師 (10555072)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心理言語学 / 換喩 / 文産出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトでは、換喩表現と非換喩表現の文産出過程を心理言語学の手法によって比較検証し、換喩表現の産出の背後にある要因を明らかにすることが目的である。 具体的には、平衡解釈説という、二つの表現はヒトの脳内に共存されていて、換喩表現と非換喩表現を両方とも同時に理解して産出することができる一段階のメカニズムと、逐語・比喩解釈先行説という、換喩表現と非換喩表現は脳内に別々に存在しており、換喩・非換喩表現のどちらかを先に理解し、別の表現の解釈も進めて文を理解し、産出する二段階のメカニズム(ならびにそれらに相当する言語産出に関する仮説)を検証する。 平成26年度は、終了した予備実験を元に、日本国内において日本人を対象とした実験を行った。更には海外でも実験を実施できるように調整中である。すべての実験はまだ終了していないが、次年度の実験を潤滑に行えるように、研究計画はおおむね順調に行っている。 実験実施のほかには、ドイツ・ポツダム大学(Tanaka, M, (2015) 'Planning Cause and Consequence in Japanese' Poster presented at the 3rd Eastern Asian Psycholinguistic conference, University of Potsdam, September 2015.)、関西外国語大学(Tanaka, M, (2015) 'Planning Cause and Consequence in Japanese' Invited talk, 日本英語学会、関西外国語大学)や関西学院大学(Tanaka, M, (2015) 'Planning Cause and Consequence in Japanese' Talk presented at the KCP conference, Kwansai Gakuin University, Kobe, Japan, July 2015)で研究成果について発表し、さらに国内の学術誌にも投稿した(Tanaka, M, (2015) 'Planning Cause and Consequence in Japanese', English Linguistics)。さらには国内外の学会で最新の研究方法や理論を学ぶと共に、研究者との交流を図り、今後の研究を進めていけるように話し合いを進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初の計画通りに心理実験用のプログラムを使用した実験を実施することができた。 当初の予定であった、国内外での実験を完全に終了することはできていないものの、国内で本実験を実施しながらも分析を進めている。さらにはその結果をもちいて海外での実験を実施し、終了することができると確信している。 研究実施以外には、国内外での学会に参加し、積極的に研究結果を発表することができた。さらには国内外の研究者と研究の結果などを活発に議論し合うことができたため、今後の実験への参考となる意見を取り入れることもできた。よって、研究計画はおおむね順調に研究が進んでいると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の本研究課題の今後の推進方策は、既に実施されている国内での実験を確実に終了させ、その実験データの掘り起こしと統計解析を行い、論文執筆や学会発表といった成果発表を行うことである。 本実験の実施:既に国内で実施されている行動実験を継続しつつ、海外で行う予定である行動実験(英語での文産出実験)を実施し、終了させる予定である。 データ分析、時間調整:実験を実施した後、必要な実験データを収集したところで、録音したデータの掘り起こし、統計解析を行う。また、追加実験が必要な場合には、必要に応じて実験期間を延長して行う。また、実験の実施と研究内容の討議を行うため、エディンバラ大学へ渡英する予定である。 成果発表:実験データの解析が終了した時点で、最終年度の研究の総括を行い、国内外の学会で成果発表を行うために準備を行う(9月と3月)。また国際学術雑誌の投稿(Cognition、または Journal of Memory and Language)のため、論文作成の準備にかかる。
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Causes of Carryover |
昨年度に実施し、終了する予定であった国内外での行動実験がまだ終了しておらず、被験者への実験参加の謝礼金などを次年度に使用するように変更したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内外での行動実験を実施し、その際の被験者への実験参加の謝礼金などのために助成金を使用する。
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Research Products
(4 results)