2015 Fiscal Year Research-status Report
多言語環境にある外国人の日本語観と言語選択に関する研究-在日パキスタン人を中心に
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26370522
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
福永 由佳 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系 日本語教育研究領域, 研究員 (40311146)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 在日外国人 / 多言語使用 / 言語選択要因 / 場面・状況別言語使用 |
Outline of Annual Research Achievements |
【本年度前半の研究活動】 予備調査の無効回答発生の要因分析を行った。特に、質問内容の妥当性、質問の表現、回答形式のわかりやすさ、質問紙全体のわかりやすさなどを詳細に検討した。また、英語とウルドゥー語翻訳の適切性をそれぞれの言語の専門家に評価を依頼し、問題点を指摘してもらった。このように予備調査の問題点を洗い出したうえで、本調査用の質問紙を作成した。
【本年度後半の研究活動】 本研究の趣旨内容を熟知した翻訳者に翻訳を依頼し精度の高い翻訳版を作成した。さらに、有効回答を効率的に収集するために、コミュニティに信頼が高く、本研究の意義と方法を理解した人材を研究協力者として新たに確保した。そのうえで、本調査の実施体制と実施方法を検討した。上記のような入念な準備を経て、今年度後半から本調査の実施を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①予備調査では想定以上に無効回答が発生し、その要因分析に時間を要した。 ②予備調査で使用したウルドゥー語翻訳に誤訳などの問題があることが判明し、研究目的の文書を適切に翻訳し、研究者とやりとりができる翻訳者の確保に時間を要した。 ③当初協力を内諾していた研究協力者が急きょ帰国することになり、あらたに研究協力者を確保する必要が生じた。 ④予備調査の分析の結果、有効回答を効率的に収集するためにはコミュニティに信頼が高く、本研究の意義と方法を理解した人材を研究協力者として本調査に実質的に参画にしてもらうことが不可欠であり、そのうえで研究協力者と研究代表者が立ち会う小集団調査を複数回実施する方法が効果的であるという結論に達した。そのために、新たに調査体制を確立し、研究協力者の助言にもとづいた新規スケジュールとフィールドで調査を実施する必要性が生じた。その結果、計画の大幅な変更を余儀なくされた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度4月から7月にかけて、本調査のデータ収集を完了する。その後、分析と並行して、言語使用意識に関するインタビュー調査を限定人数を対象に行う。
インタビューの分析と本調査の分析結果を統合し、十分に考察を行い学会等で積極的に成果を公表するためには研究期間を当初計画より延長する必要が生じる可能性を検討しつつ、今後の研究を推進する。
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Causes of Carryover |
予備調査では想定以上に無効回答が発生し、その要因分析に時間を要した。さらに、当初協力を内諾していた研究協力者が急きょ帰国することになり、あらたに研究協力者を確保し、研究体制を立て直す必要が生じた。
以上の理由により、本調査の実施が計画より遅れることとなった。したがって、本調査のために計上していた諸経費の多くを次年度使用額として繰越すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は今年度繰越した本調査(量的調査)を完了する。あわせて、当初計画していた言語使用意識に関する半構造インタビュー調査を限定的な範囲で実施する。したがって、調査にかかる諸経費は本年度未使用分を含め次年度に計画通りに使用する。
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Research Products
(4 results)