2015 Fiscal Year Research-status Report
十八世紀青森下北方言を反映するタタリノフ『レキシコン』についての文献方言史的研究
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26370536
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江口 泰生 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (60203626)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ロシア資料 / 東北方言 / 青森下北方言 / 日露交渉史 / 音韻 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画は着実に進行している。 まず本文の注釈、研究をおこなった。2015.3「A.タタリノフ『レクシコン』注釈2(В~Е)(『岡大国文論稿』43)P14~P20」、2015.7「A.タタリノフ『レクシコン』注釈3(ж~и)」(『岡山大学文学部紀要』63 p49~63)、2015.11「A.タタリノフ『レクシコン』注釈4(К~Л)」(『岡山大学社会文化科学紀要』40 1p~11p)を発表した。 次に日本語史においてはこの資料を利用して、現在は一つ仮名地域になっている東北方言の四つ仮名について語頭では破擦音、語中尾では摩擦音という結論を導き、2015.8「A.タタリノフ著『レクシコン』からみた18世紀下北佐井方言の四つ仮名」(『国語と国文学』平成二十七年九月号p50~66)を発表した。 2015年9月にサンクトペテルブルク東洋写本研究所での現地調査が実現したことは望外の感動であり、その一部については今季以降の公刊となった紀要に論文を挙げ、実地調査によってそれまでの注釈に一部変更を加えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は当初の計画以上に進行していると考えている。特にサンクトペテルブルク東洋写本研究所での現地調査が実現したことは長年の夢でもあったが、大変、感動的であった。なかなか連絡が取れずにいたのだが、外務省などを経由して研究所に連絡が可能となり、現地調査ができたのである。 その成果は計画どおりに進行しているといえる。本文の研究、注釈など、あれこれ調査することで思ったとおりに『レクシコン』が素晴らしい資料であることが判明してきたと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究をさらに推進し、タタリノフ『レクシコン』の全体を明らかにして、公開したいと考えている。またこれを利用した日本語史の研究にも及ぶ予定である。まだ語彙的にも不明な箇所もあるが、これらは今後の研究で明らかになっていくと考えている。 当該資料が鹿児島ゴンザの『日本語会話入門』との関係もある(例文が共通している)ので、この比較対象も重要な目的となる。
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Causes of Carryover |
金額にはさほど大きな差異はなく、想定の範囲内と考えている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マイクロフィルムを画像データにすることを計画している。
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Research Products
(5 results)