2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26370541
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青木 博史 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (90315929)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 構文 / 歴史的変化 / 連体形 / 準体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度における研究業績は,以下のとおりである。
①編著『日本語文法史研究 2』,青木博史・小柳智一・高山善行編,ひつじ書房,全298ページ,2014年10月。②論文「室町・江戸時代の受諾・拒否に見られる配慮表現」,『日本語配慮表現の多様性』,野田尚史他編,くろしお出版,pp.149-166,2014年6月。③論文「接続助詞「のに」の成立をめぐって」,『日本語文法史研究 2』青木博史他編,ひつじ書房,pp.83-107,2014年10月。④発表「「二段活用の一段化」再考」,平成26年度九州大学国語国文学会,九州大学,2014年6月14日。⑤講演「終止形と連体形の合流について」,MLF2014(形態論・レキシコン研究会),大阪大学,2014年9月7日。⑥発表「準体助詞「の」の歴史と言語変化」,第51回NINJALコロキウム,国立国語研究所,2014年9月30日。⑦講演「「連体形」の文法史」,平成26年度京都府立大学国中文学会,京都府立大学,2014年12月13日。⑧発表「接続部における準体助詞「の」―「のなら」の成立―」,シンポジウム「日本語条件文の諸相 ―地理的変異と歴史的変遷―」,文京シビックホール,2015年1月11日。
構文史研究を進めるうえで重要な「連体形」をめぐって,連体形が構成する名詞句(=準体句)の問題と,連体形と終止形が合流するという問題について,考察を深めた。特に準体句を承けた「の」名詞句の分析については,理論・記述の両面において,かなりの部分まで進んだ。歴史的研究から現代語研究への貢献という目的についても,十分に果たすものとなっている。③⑥⑦⑧の成果がそれであるが,本科研の期間内にまとまった成果として発表したい。また,口頭発表の成果については,2015年度中に活字化したい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2014年度の計画としては,特に「のに」を中心に考察を行うこととしていたが,この問題についてはすでに活字化した。この他,「のなら」などの関連する別の形式,さらには連体形終止についての考察も研究成果を口頭発表するに至っており,当該年度の研究は,当初の計画以上に進んでいるといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究課題については順調に進展しており,これまで通り,引き続いて歴史的観点から見た複文構文の研究を進めていく。 研究成果については,2014年度は口頭発表を多く行ったので,2015年度はそれらを活字化した論文の形で成果を発表していくことに努めたい。
|
Causes of Carryover |
計画の段階では物品費として予定していた分が,実際の使用とは異なったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
少額であり,次年度の物品費として合わせて使用する。
|
Research Products
(8 results)