2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26370551
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
荻野 綱男 日本大学, 文理学部, 教授 (00111443)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 方言語形 / 分布 / WWW |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は方言語形の分布調査を中心に検討した。まず、埼玉県羽生市方言を中心に、近隣地域(市や町)の方言集を調べ、方言語形を収集した。次に、各方言語形をWWWで検索し、使用例(実際にその語形を自分で使っているもの)、参照例(その語形に関する議論や意見など)を収集・分類し、どういう地域で使われているかを検討した。その後、地域を広げ、宮城県仙台市、岡山県倉敷市、愛媛県松山市などを取り上げ、それぞれの地域での方言語形の分布状況を調査することができた。 その結果、使用例は収集がむずかしく、また、収集できても、その使用者の出身地を調べることがむずかしく、方言語形の分布地域を確認するためにはあまり役に立たないことがわかった。一方、参照例は、具体的にどの地域で使われているかがかなり明示的に示される場合が多く、方言語形の分布地域を知るために有益な資料になることがわかった。 今後は、地域の特性(どの地方にあるのか、大都市の近くか否か、人口が多い地域か否か)などとの関連を調べ、どんな地域の方言語形がWWWに書かれやすいのかを検討することを考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各方言語形の分布地域の確認は、研究期間中順次行ってきたが、人手による確認にけっこうな時間がかかるため、当初予想していたようなペースで進めることはできなかった。 また、データが集約されてきたあとに、それらの全体を一体としてながめて相互に対比する必要があるが、そのあたりの分析作業が遅れ気味である。 結果的に、1年間の間に予定通りの進行とはならず、次年度にも継続的にこの種の研究を進めることになると予想される。
|
Strategy for Future Research Activity |
方言語形の分布の問題は、いくつかの地域で研究を進めることで、相互の比較対照が可能になるものである。西日本を中心にあと1~2地点での追加調査を行い、全国的な方言語形の分布の問題を明らかにしたいと考えている。平成26年度の研究予定が平成27年度にも伸びてしまったことになる。 また、当初の予定であった平成27年度の「ことばのゆれ」の調査にも新たに取り組みたい。このあたりは、調査のしかたとともに、調査項目の選定がポイントになるので、いろいろな先行研究を参照しながら調査項目を絞っていきたい。
|
Causes of Carryover |
ごくわずかの残額が生じ、これを効率的に使用することができなかった。無理に使用するよりも次年度の研究のために使った方が望ましいと判断した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
人件費の一部として使用する予定。
|