2016 Fiscal Year Research-status Report
国際語としての海事英語の理解度と分かりやすさに関する研究
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26370559
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
内田 洋子 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (50313383)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 英語音声学 / 国際語としての英語 / 理解度と分かりやすさ / 海事英語 |
Outline of Annual Research Achievements |
英語を分かりやすく話すことを目指すのは、全ての英語学習者及び英語を非母語話者として使用する日本語母語話者に共通することである。ただし、英語能力や英語使用場面には多様性があるため、「どこまで」分かりやすく話せるようになりたいかという目標設定や意識には使用者によって大きな違いがあることが考えられる。 例えば、内田&杉本(2016) の「「英語発音指導に関する調査」(2015 年 7,8 月実施) 一次分析結果ご報告」でも明らかとなっているように、英語教員はいわゆる「ネイティブ並みの発音」を目指すグループであり、聞き手からもそのような発音が期待されている可能性が高い。それに対して、海技士の場合は、「あくまで意思疎通の支障により海難事故が起きないレベルの発音」であり、その到達目標は英語教員とは別のところにあると考えられる。 このような「分かりやすさ」の多面性にも焦点を当てるべく、今年度(平成28年度)は航海士志望者35名と英語教員志望者15名の協力を得て、英語音声の録音(短文5つ、パッセージ2つ)を行った。一部の音声については、Pairwise Variability Index (PVI)を用いた分析を試みた。また、別の一部の音声(20名分)については、英語音声を国内にいる母語が異なる話者4グループ(日本語を母語とする学生11名・日本語を母語とする教員11名・英語11名・中国語2名)に聞かせて判定をさせる聴取実験のパイロット・スタディを行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度より一歩進んで、海事英語使用者からデータを得ることができたが、彼らの発音の分かりやすさを測定する聴取実験にまで至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
航海士志望者による録音音声を異なる母語を持つ海技士志望者に聞かせて分かりやすさを判定してもらう聴取実験を行う。聴取実験の組立をしながら国外の海事大学に対して実験参加を呼びかけ、データ収集を進めていく。
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Causes of Carryover |
当初計画していた聴取実験を遂行することができなかったから。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験の遂行と結果の公表(学会発表等)を行う。
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