2014 Fiscal Year Research-status Report
後期近代英語期の辞書に見る意味と形態の変遷:新語義の足跡と作家の創意を照査して
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26370569
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
脇本 恭子 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (00258295)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | (後期近代英語期の)辞書 / 新語 / 語源 / 語義変化 / 近代小説勃興期 / 感情に関する語彙 / モラルに関する語彙 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,英国において近代小説黎明期の作家が使用し始めた「新語」「造語」の形態や語義変化を,18世紀初頭から19世紀中庸までに出版された「辞書」に照らし合わせて調査・分析することで,後期近代英語期に特有の語彙の傾向・特徴を明らかにしようとするものである。 四年間の研究期間のうち,初年度にあたる平成26年度には,主に近代小説の祖と称される作家について Oxford English Dictionaryの初例になっている語や新語義として初出となっている独自性の高い語を中心に収集し,必要に応じては,それらの語を語形成の面より分類していった。所属学会では,通時的視座により吟味・考察された研究発表の司会を務めることで,自らの研究に結びつく学術的な情報,分析上のヒントを得た。 論文の形での発表としては,「語学的文体論に基づく大学英語教育-二篇の英詩を教材として-」(岡山英文学会:Persica 41号)である。英語学と英語教育の接点に関わる論考であるが,二編の英詩に用いられている重要語の意味(比喩的意味も含め),形態,音の象徴等について,教育的な観点を交えて精査した。伝統的手法で書かれた英詩に見られる古語用法とその文体的効果を指摘したが,これにより,本研究を遂行する上での視野を広げることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
勤務校での業務のため,予定していた現地での調査(イギリス渡航)をキャンセルせざるを得なくなり,その点での研究が,当初計画していたものより遅れたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方策としては,現地調査を行うことで,現地ならではの情報,及び,文献・資料(データ)を収集することで,初年度,遂行するに及ばなかった点を補完する。また,これまでにリストアップした語彙を効率よく分析することで,初年度の遅れを取り戻すことにする。
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Causes of Carryover |
勤務校での業務により,当初予定していた現地調査(海外渡航)を遂行することができなくなったため,初年度海外渡航費としてあてがっていた予算が残ったことによる(航空券を購入していたが,勤務校での優先業務により,キャンセルせざるを得なかったため)。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度には,初年度に遂行できなかった現地調査(イギリス渡航)を行うことに予算を使用することを計画している。
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Research Products
(1 results)