2015 Fiscal Year Research-status Report
後期近代英語期の辞書に見る意味と形態の変遷:新語義の足跡と作家の創意を照査して
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26370569
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
脇本 恭子 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (00258295)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | (後期近代英語期の)辞書 / 加重音節 / 新語 / 語源 / 近代小説勃興期 / Samuel Richardson |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,イギリスにおける小説勃興期の作家が用いた「新語」の形態,及び,その時代に特有な語彙の「語源」「語義変化」について,18世紀初頭から19世紀中庸までに出版された代表的な「辞書」に照らし合わせて調査・分析するものである。 四年間の研究期間のうち,二年目にあたる平成27年度には,Samuel Richardson の Sir Charles Grandison (1753-54) の一部を,原書(第二版)のPDFを基に調査した。膨大なページ数により,現段階ではまとまった形になってはいないが,特に,“hum-drum,” “gew-gaw,” “hugger-mugger” のように,同一音節が重複した加重音節 (reduplication) に着目して調査を進めた。分析に際しては,Oxford English Dictionary や Dr. Johnson の A Dictionary of the English Language (1755) だけではなく,かなり古い文献ではあるが,Transactions of the Philological Society (1865, Volume 10, Issue 1) の “DICTIONARY OF REDUPLICATED WORDS” などを参照していった。 なお,今年度の論文としての発表は,「英語教科書の歴史に辿る教材としての英詩─有海(1938)再考─」(岡山大学大学院教育学研究科研究集録:160巻)である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
勤務校での最優先業務等のため,当初の計画より遅れたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,まず英国ケンブリッジ大学の図書館やロンドンの大英図書館に実際に赴き,現地ならではの情報や文献・資料を直接収集することで,これまで遂行するに及ばなかった点を補完する。 とりわけ,Dr. Johnson の A Dictionary of the English Language を中心に,その前後の辞書を調査し,新旧の辞書間でどのような違いが見受けられるのか比較を試み,帰国後はその分析結果をまとめる作業に集中する。
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Causes of Carryover |
勤務校での最優先業務と授業担当の関係により,当初予定していた研究計画の一部が遂行できなかったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の理由により,これまで実行に至らなかった現地調査(主にはイギリス・ケンブリッジ大学での調査)を行い,日本では得ることのできない貴重な資料を閲覧・収集することに予算を充てる計画をしている。
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Research Products
(1 results)