2016 Fiscal Year Research-status Report
後期近代英語期の辞書に見る意味と形態の変遷:新語義の足跡と作家の創意を照査して
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26370569
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
脇本 恭子 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (00258295)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | (後期近代英語期の)辞書 / Samuel Richardson / 新語 / 近代小説勃興期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,18世紀を中心とする英国小説勃興期の作家に特有な語彙について,当時出版された代表的な「英語辞書」に照らし合わせて考察することを目的としている。 四年間の研究期間のうち,三年目にあたる平成28年度には,まず,これまでの研究の一部について口頭発表を行い,フロアからのコメントを頂くことで意見交換をし,同領域の専門家と研究情報を共有した。続いて,かねてより実地調査を計画していた英国ケンブリッジ大学中央図書館 (所属は Wolfson College) に赴き,現地ならではの情報や文献・資料を直接収集した。 ここで得た資料を参考に,18世紀の代表的な作家である Samuel Richardson (1689-1761) の3つの書簡体小説に見られる特徴的な複合語(とりわけ複合名詞や複合形容詞)を,前時代の Shakespeare の場合と比較・考察することで,特定の複合語を通じて,初期近代英語から後期近代英語の時代にかけての言葉の推移の一端を探った。 その際,Cawdrey の Table Alphabeticall から,John Kersey の Dictionarium Anglo-Britannicum,Nathan Bailey の An Universal Etymological English Dictionary,Samuel Johnson の A Dictionary of the English Language,John Ash の The New and Complete Dictionary 等を参照するなど,17世紀から18世紀後半に至る主要英語辞書に収録された複合語と照らし合わせて分析・調査を行った。なお,得られた分析結果は,論文の形にまとめていった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
勤務校の優先業務遂行のため,当初の計画より遅れたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成29年度は,これまでの研究で遂行するに及ばなかった点を補完すると共に,口頭発表や論文の形で研究の総まとめを発表することを計画している。
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Research Products
(2 results)