2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the Plurilingual and Pluricultural Competences of Plurilingual Supporters through the Study of Language Usage
Project/Area Number |
26370600
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
徳井 厚子 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (40225751)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 複言語サポーター / コンピテンシー / 複言語・複文化能力 / ウェルフェア / コミュニケーション / インタビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度は、これまで行った複言語サポーターへのインタビュー調査を分析・考察し、その成果について国内外の学会で発表を行い、論文の執筆を行った。主な研究成果は(1)ウェルフェアの観点からの複言語サポーターのコミュニケーションの考察(2)ネットワーキングの観点からの複言語サポーターのコミュニケーションの考察(3)コンピテンシーの観点からの考察である。 (1)徳川(1999)の提唱したウェルフェア・リングイスティックスの考えにもとづき、ウェルフェアの観点からインタビュー結果を分析した。分析の結果、労働、離婚、DV、医療等に関して、複言語サポーターが当事者の多様な状況や心理状況に応じながらコミュニケーションに工夫しつつ支援を行っていることが明らかになった。また複言語サポーターのコミュニケーションそのものがウェルフェアのためのコミュニケーションであるということを提言した。(2)複言語サポーターの語りを「ネットワーキング」という観点から分析を行った。分析の結果、ネットワーキングにおける自立、協力の必要性についての語り、日常のネットワーキングの必要性についての語り、ネットワーキングに必要な資質についての語りが見られ、複言語サポーターがネットワーキングを重視しながら支援を行っていることを明らかにした。(3)複言語サポーターの語りを、複言語サポーターにとって必要なコンピテンシーという観点から、複言語・複文化能力との関わりを中心に分析・考察を行った。分析の結果、相手の文脈に応じて自己の位置づけを使い分ける等いくつかのコンピテンシーを示唆する語りが見られた。今後さらに複言語・複文化能力以外の観点からのコンピテンシーの考察も必要であることを示唆した。
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Research Products
(5 results)