2015 Fiscal Year Research-status Report
日本留学の長期的成果~グローバル展開と次世代への波及
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26370603
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 京子 名古屋大学, 国際機構, 教授 (60236578)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本留学 / 留学成果 / 留学成果の波及 / 留学の長期的成果 / 元留学生 / ラテンアメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
ラテンアメリカの2カ国を訪問し、元日本留学生合計21名に聞き取り調査を実施した。元留学生が勤務する大学や学校、大使館等を訪問し、現場の活動を観察しながら調査することができた。うち一カ国では元日本留学生会の総会に参加する機会も得た。 2カ国とも現在、経済・社会情勢が比較的安定しており、元留学生たちが国内で安定的に責任ある立場にいて、留学成果を様々な形で職場や家庭において伝えていた。留学成果をさらに次世代に伝えるため、各々の職場や家庭で特徴的な活動をしているとともに、留学生会としてまとまり、在外日本大使館との連絡をより密にして活動をより活性化する機運が高まっていた。社会情勢の面から、また国土の大きさからも、元留学生たちが対面で集まることが可能である点や、元留学生の全体数が他の大国に比べて少なく、互いにより個人的な関係が持てる点が、活発な会の運営に関係しているかと思われた。 調査で浮かび上がった留学成果は多様であり、今後詳細な分析をするが、日本での研究生活で学んだ規律や責任感、時間厳守など、これまでの調査でも多く語られてきた特徴が、職場や家庭で大切にされており、次世代にも伝えられていることがわかった。 訪問先のうち1カ国では、元留学生会との連携が予想以上に強くとれ、今後の調査研究および実践の足がかりを作ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究者が所属する大学の組織改編があり、それに伴って人事や新事業の立案・予算調整に予想以上の時間と労力を必要とした。その中で研究者自身体調を崩し入院するなど、研究進展に支障が出ることとなった。基礎資料の収集はできているが、その整理や分析の進捗状況が予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
あと1回の出張により、聞き取り調査を続け資料収集する予定である。出張先については、計画時には予測できなかったような感染症が流行していたり社会情勢が不安定だったりする地域があるため、今後の推移をみながら決定する。 研究者の所属組織における業務量は、なお数年間、予想以上に多くなる状況が予想され、研究の進捗が遅れる可能性が高い。その場合には計画の一部を次年度に持ち越すことが考えられる。
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Causes of Carryover |
2回の出張計画を1回にまとめたため、旅費や人件費について、差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画では2回としていた出張を1回にするが、航空券はエコノミークラスでなくビジネスクラスで旅行し、調査をより効率的、効果的に行う予定である。現在ラテンアメリカ地域の治安や衛生状況が不安定なため、状況の推移をみながら出張先を決定する。そのため航空券代が計画時と異なる可能性がある。 前年度の成果として元留学生会との協働作業ができる状況が実現したため、次世代育成に関わる調査・活動へと進める予定である。 以上により、予定額と使用額に差額が出る可能性がある。不足した場合には所属機関の研究費を本研究の一部にあて、残額が出た場合には次年度に持ち越して研究を進める予定である。
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