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2015 Fiscal Year Research-status Report

発話文における日本語学習者による呼気のコントロールとリズムユニットの実現について

Research Project

Project/Area Number 26370604
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

鹿島 央  名古屋大学, 国際機構, 教授 (60204377)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 橋本 慎吾  岐阜大学, 留学生センター, 准教授 (20293582)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords呼気流量 / リズムユニット / 持続時間 / 米語話者 / 日本語母語話者 / キャリア文中 / 5拍語 / 無意味語
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、日本語学習者の発話における呼気のコントロールの仕方を明らかにすることである。日本語のリズムについては、モーラではなくリズムユニットによる長さの配置特徴としてとらえ、語全体および各ユニットの持続時間と生理的な変数である呼気の総流量との関係をキャリア文全体の呼気の総流量がどのように配分されているかを分析することで検討した。資料語は、5拍の無意味語で、122型(例:たたーたん)9語、212型(例:たんたたん)8語、221型(例:たーたんた)16語とそれら33語を含む発話文である。26年度は日本語話者(NJ)について分析を行ったが、本年度は日本語話者を1名追加し、さらに米語を母語とする日本語学習者(AEJ)の発話についても検討を行った。分析の結果 以下のような違いが見られた。まず、キャリア文中の語の持続時間の実測値については、NJはキャリア文中では、語の全体長および各ユニット長は減少するが、減少の度合いは母語話者間で異なっていた。一方AEJでは、キャリア文中で全体長、ユニット長はリズム型により増加する傾向が見られたが、第2ユニットについては減少していた。 呼気流量 については、NJはキャリア文中では20-35%減少 していたが、AEJは逆に増加が観察された。ユニットについても、221型の第3ユニット以外は増加する傾向があり、日本語話者との違いが見られた。米語話者では、 不自然な発話 が観察されたが、221型を分析した結果「たた」「たっ」を第1ユニットに持つ語の単独発話とキャリア文中の各ユニットの割合から、流量の配分と持続時間とに関連があることが示唆される結果となった。これらの結果は、日本音声学会での口頭発表と紀要で公開した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

27年度は、後半でリズム類型の異なるスペイン語話者について分析を行う予定であったが、
26年度の日本語母語話者の結果から、日本語母語話者の分析自体が十分でないことが分かった。このため、日本語話者の分析を追加し、より妥当性のある説明ができるように検討を行った。このことにより、米語話者の分析結果が日本語話者とはかなり異なることが理解できるようになったと考えられる。

Strategy for Future Research Activity

1.今年度の分析対象がストレス拍リズムを持つとされる英語であったため、呼気流量だけではなく呼気圧も分析項目とし持続時間との関係を考察していく。英語話者をさらに増やすことと、シラブル拍リズムであるスペイン語話者の分析を行いたい。
2.教育への応用として、キャリア文中での流量のコントロールにより、聴覚的な長さも調節できるのか検討する。

Causes of Carryover

昨年度も同じ状況であったが、エアロフォン用のフェイスマスクが購入できなかったことが一つの原因である。数度のメールを通じての購入依頼に全く反応がなかったこととエアロフォンのソフトを提供している会社のオーナーが高齢のため、事業を廃業したことも物品の調達ができなかたことの理由である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

今年度は、被験者をさらに増やすため、エアロフォンの分析に携わる人的支援に資金を使用することを考えている。フェイスマスクについては引き続き、購入できる会社を探すが、問題はエアロフォンのメインテナンスができるソフト会社に関する懸案をどうするかである。

  • Research Products

    (2 results)

All 2016 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] キャリア文中における語の持続時間と呼気流量との関係について―日本語母語話者と米語話者の日本語との比較を通して―2016

    • Author(s)
      鹿島 央、橋本慎吾
    • Journal Title

      名古屋大学 日本語・日本文化論集

      Volume: 23 Pages: 9-35

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] キャリア文中における語の持続時間と呼気流量について-日本語母語話者と米語話者の日本語との比較を通して-2015

    • Author(s)
      鹿島 央、橋本慎吾
    • Organizer
      日本音声学会
    • Place of Presentation
      法政大学市ヶ谷キャンパス
    • Year and Date
      2015-12-12

URL: 

Published: 2017-01-06  

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