2016 Fiscal Year Research-status Report
学習の質を保証する日本語コロケーション習得システムの構築と実践研究
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26370609
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
坂井 美恵子 大分大学, 国際教育研究センター, 准教授 (60288868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中溝 朋子 山口大学, 留学生センター, 准教授 (70305217)
金森 由美 大分大学, 国際教育研究センター, 講師 (80264323)
大岩 幸太郎 大分大学, 教育学部, 名誉教授 (90223726)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コロケーション / e-learning教材 / 名詞と動詞 / 難易度別ステージ / 正答率 |
Outline of Annual Research Achievements |
名詞と動詞のコロケーション習得を目的としたe-learning教材の完成を目指し、以下のとおり研究を進めた。まず、教材作成チームは、採用したコロケーションを10段階の難易度別ステージに分け、学習者による教材の試行を実施した。そして、各問題の正答率の収集を行い、各問題と各ステージの信頼性の検証を行った。その結果、正答率が著しく低い問題と著しく高い問題について、出題文の書き換えや、錯乱肢の見直しを行った。また、正答率順に易しい問題から難しい問題へとステージが上がるよう、各ステージの中の不適切な問題の入れ替えを行うことにより、各ステージの信頼性を高めた。 システムの構築に関しては、新たに次の機能をシステムに追加した。 ①学習者のアクセス時間の記録と表示を行うようにした、②学習者別、問題別の解答所要時間をデータべースに記録し、履歴画面に表示することにより、学習者自身による所要時間の把握を可能とした、③ステージ終了までの所要時間、平均所要時間、最小所要時間の問題、最大所要時間の問題の記録と表示を行った、④最大リトライ回数と最大リトライ回数の問題番号の取得機能を追加した、⑤言い換え問題について、正答率を取得できる機能を追加した、⑥ユーザ登録画面とユーザ一覧表示画面について、一部の情報を入力式から選択式にすることや、並べ替えができる機能の追加などの仕様変更を行った。 最終的に学習者による試行を行い、システムの検証を行い、問題点の洗い出しと不具合の修正を行った。また、試行後アンケート調査を行い、学習者からフィードバックを得た上で、教材の改良点について検討を行った。以上の研究成果を学会にて発表し、教材の公開を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の研究実施計画として挙げていた学習者による試行の実施については、計画通り行うことができた。各問題の正答率を取得することにより、各ステージの信頼性を検討し、不適切な問題の修正及び入替えなどを行った。その結果、教材の信頼性をより高めることができた。また、学習者からのフィードバックに基づき、教材全体の問題点を洗い出し、教材の改良について検討することができた。システムの検証も同時に行い、各問題の解答に要する時間の取得など、コロケーションの習得に関する学習傾向の把握がしやすくなった。その他、学習の定着を図るための新たな機能追加を行った。また、不具合についての修正も行うことができた。これらの成果をまとめ、学会発表を行った。そして最終的に教材を公開することも計画通り実施することができた。 一方で、教材の改良については、不十分な点が残り、更なる改善点が見つかった。また、試行に参加する学習者の数を充分確保することができなかったため、誤用分析などについては十分行うことができず、進捗状況についてはやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
教材の改良後、再度試行を行い学習者からのフィードバックを得たところ、各ステージの出題数が多くステージを終了するのに時間がかかりすぎることや、最後の問題まで終了しない学習者もいることが判明した。今後はこの点に関して改良を行う予定である。また、より使いやすい教材にするために、機能の修正と追加を行う必要がある。研究期間を一年延長することで、新たな問題の追加や試行者の増やすことができ、また、今年度追加した新たな機能を活用し、コロケーション習得に関してより多くのデータを収集することができる。多方面からのデータ分析を行い、コロケーション習得の特徴の分析や誤用分析を行う予定である。より多くのデータに基づいた分析が可能となることで、教材の信頼性も高めることができる。
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Causes of Carryover |
教材の改良後再度試行を行い学習者からのフィードバックを得たところ、学習者にとって使いにくい機能や、データ収集機能が不足している点があることが判明した。より使いやすいシステムにするため、さらにシステムの改良と機能の追加を行う必要性がある。そのため、今年度当初計上していた謝金、国内旅費、その他の予算を、システムの改良と機能追加に充てることにしたい。また、より充実した教材とするために、研究期間を延長したことで、問題の追加とデータ収集を行うための謝金の計上が必要となった。そのため、次年度使用額が生じることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
システムの利便性を高める改良を行うため、機能修正と機能追加を行う。問題の追加とデータ収集の補助を行うための謝金として使用する予定である。
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Research Products
(7 results)