2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development and study of foreign language activities strutured to upset pre-established harmony: applying the techniques of improvisational drama
Project/Area Number |
26370630
|
Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
三野宮 春子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (90632406)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | アクティビティ開発 / 即興 / 協働 / 創造 / コミュニケーション分析 / 英語教育 / 演劇 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、予定調和的「コミュニケーション」活動に違和感を覚えながらも突破口を見いだせずにいる現在の英語教育のために、即興劇の原理を研究・応用してアクティビティを開発し、一石を投じることであった。全研究期間を通じ文献調査、ワークショップ参加、教育演劇実践者との交流などを行い、即興劇について実践的に理解を深めた。さらに、主宰した「英語アクティビティ工房2015」(教師や学生などと作る勉強会)などにおいて即興劇の手法を応用して英語アクティビティを開発し、その試用において映像データを収集、分析した。成果は、執筆活動、学会発表や講演、ワークショップ開催、ウェブページ開設によって公開した。 最終年度には主に2つの成果があった。1つは研究成果の発表である。まず、前年度の学会発表を基にまとめた論文Visual plus verbal: Improvisational, collaborative storytelling for creativityでは、視覚モードと言語モードが相互貢献的に即興の物語創作を刺激するような自作アクティビティを紹介した。その使用時におけるコミュニケーション行為の分析により、アクティビティの構造が解釈と表現の連鎖から成る協働の意味生成に影響を与えるようすが明らかになった。また、論理面ではJ.デューイやK.ソーヤーの文献を研究し、「協働と創造:応用インプロを手掛かりに」という学会発表を行い、論文化に取り組んだ。 もう1つは次の研究テーマの発見である。最終年度は、ニューヨークにて大学院の授業、英語演劇プログラム、劇団が開催するワークショップに参加し、応用演劇の多様なジャンルを概観し教育演劇の現状について実践的に理解を深めた。その過程で、演劇人たちが共通に語る価値観やキーワードが浮かび上がったので、それらを英語教育にどう生かせるか今後の研究で明らかにしたい。
|