2015 Fiscal Year Research-status Report
中国の英語教育に関する調査研究に基づく日本の大学英語教育再構築の試み
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26370634
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
西蔭 浩子 大正大学, 表現学部, 教授 (00297079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 恵 大正大学, 表現学部, 教授 (50587318)
平石 淑子 日本女子大学, 文学部, 教授 (90307132)
孔 令敬 大正大学, 公私立大学の部局等, 講師 (30449110)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中国文化 / 欧米文化受容 / 英語統一試験 / 指導要領 / 一環カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
第9回JACET関東支部大会(2015年7月12日)において北京市の初等中等学校で使用されている英語教科書の分析結果を「中国の英語教育が目指すものー初等・中等英語教科書に見える中国文化」として発表し、『中国の英語教育がめざすものー小・中等英語教科書に見える中国文化』(大正大学研究紀要第101号)に論文掲載した。概要は、中国の英語教科書は「自己顕示・自己宣伝型」というより「異文化受容型」であり、中国文化の比重は必ずしも多くないということである。 また初年度からの継続事項として2点があった。(1) 中国の英語教育において達成指標であるCan-do方式のリストの内容とその活用、およびそれを用いた評価法、(2)中国の大学で実施されている英語統一テストの具体的内容、および日本と中国の文化に根付いた教育法についての分析と検討を行うことである。(1)については継続検討中であり、(2)については2回目の北京現地調査で2種類の英語統一テスト(SETとTEM)を入手し、分析中である。 北京における2回の現地調査を行った。第1回現地調査(2015年8月28日~30日)では、北京師範大学の馬欣教授から中国英語教育界の変遷、改革および現状、大学卒業に必須な中国の英語統一試験、工夫のある英語授業について詳しい説明を得、宛金章教授からは日本語、英語、中国語の3か国語の教育における特徴について議論し、両氏と第2回調査の取り決めをした。北京市内の中高英語教科書一式、および中国文科省の指導要領を入手した。第2回現地調査(2016年3月22日~25日)では、北京師範大学1年生、北方交通大学附属中学校高校2年生、望京南湖東園小学校6年生の英語授業を観察し、それぞれの授業担当教員を含む複数の英語教員と意見交換をした。また英語統一試験TEMとSETの各4級と6級の試験問題と大学英語教科書を入手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
中国の大学で実施されている英語統一テストの入手が困難であったため、その具体的内容を検討し、それに伴う教育法についての検討が遅れている。第2回現地調査時に2種類の統一テスト(SETとTEM)を入手できたが、入手が困難であったことは、本研究の進捗に影響している。
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Strategy for Future Research Activity |
中国の大学英語統一テスト(SETとTEM)の分析が喫緊の課題である。日本で行われている主要なテストとの比較を行い、日本に応用することができるかどうかの検討が必要である。さらに、教科書分析では、初等中等学校の英語教科書に続き、大学英語教科書の分析を行う。教科書を通し、中国において一貫した英語教育がどのように行われているのかを検討し、日本の学校英語教育への示唆を得る。 当初予定していた中国での英語教員、学生に対するアンケート調査という量的研究は実際の現地調査において困難があり、加えて個別の質的調査により十分成果を得たと判断し、それをもって当てる。 研究最終年として、中国の英語教育、日本の英語教育をテーマに2017年にシンポジウムを開催する。
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Causes of Carryover |
「物品費」予算については、次年度の必要経費として当初より計画している。「人件費」については、研究計画における変更があり、中国における聞き取り調査協力者の縮小のため、予定していた謝金が少額で済んだ。「その他」項目の通信費、会議費も不要であった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年にあたり、開催予定のシンポジウムに関わる費用、および予稿集の作成に関わる費用として使用する。また、未購入の図書について入手する。
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Research Products
(10 results)