2016 Fiscal Year Research-status Report
CALPの育成を意識したCAN-DOストラテジーリストの策定と実践
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26370637
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
尾関 直子 明治大学, 国際日本学部, 専任教授 (00259318)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | CEFR / CAN-DOリスト / 学習ストラテジー / CALP / リテラシー / タスク |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度に完成予定であった第2フェーズの学習ストラテジーの視点をいれたCAN-DOリストを完成させた。28年度は,第3フェーズにあたり,CAN-DO学習ストラテジーリストに準拠した指導例を開発した。すべてのスキルとレベルに合わせて指導例を作成するのは,不可能であるので,特に現在必要とされているスキルである,スピーチ・プロダクション,スピーチ・インタラクションとライティングに焦点をあてたタスクを開発した。もちろん,この3つスキルのみを取り扱うタスクではなく,リーディングをしてからスピーキングをしたり,リスニングをしてからライティングを行ったりするタスクで,リーディングやリスニングも含まれる。このタスクの特徴としては,次の4つが挙げられる(Robinson, 2011; Swales, 2009)。①活動をするさいに,学習者間にインタラクションを伴う②学習者は,特定の言語を使うわけではなく,学習者が使う言語を選ぶことができる③意味に焦点がある④活動のゴールが明確にある。タスクは,現実社会で行われているコミュニケーションを教室内で行うものであると定義づける研究者もいるが,教室内で行われるアクティビティは,必ずしもこの定義があてはまらないので,この定義は除いた。
各タスクでは,CAN-DOリストに書かれた学習目的に効率的に取り組むことができる学習ストラテジーの指導も兼ねて教えられるように工夫してある。また,タスクを作るさい,高校で指導例がなるべく使用されやすいように,英語Iでは,東京都で最も採択数が多いVISTA communication English I,英語IIでは,VISTA communication English IIを対象として考えた。(東京都にもレベルの高い学校からそうでもない学校があり,他の地域と同じような状況であると推測し,採択数を公表している東京都のデータから教科書を選んだ。)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は,特別研究を学校からもらい,学部の授業や学校運営に関わる仕事を免除されたため,自分の研究に専念ができ,昨年度の計画は,予定通り遂行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
CAN-DOリストに書かれた指導目標,それを実現するための学習ストラテジーの指導例を高校で使ってもらい,その成果をまとめる予定である。これを実行するには,高校側と綿密に連絡を取る必要がある。もっとも大きな課題は,高校側もすでに設定したCAN-DOリストがあること,教科書がそれぞれの高校で違うので,なるべくVISTAを使用している高校を選択する必要があることである。従って,高校側がすでに作成したCAN-DOリストと研究者が作成したCAN-DOリストを照らし合わせて,研究者が作成したCAN-DOリストから使えそうなものを選んで,その指導例をためしてもらう。また,アンケートも実施してもらう予定である。
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Causes of Carryover |
国際学会に参加する予定であったが,学会から招待されたため,交通費や宿泊費などが必要ではなくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は,高校にて,質問紙調査を行うので,謝費に使いたい。
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Research Products
(12 results)