2015 Fiscal Year Research-status Report
インタラクティブな英語授業を生み出す発問及び教室談話の研究
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26370650
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Research Institution | Fukuoka Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
細川 博文 福岡女学院大学, 国際キャリア学部, 教授 (10249625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高谷 建廷 福岡女学院大学, 国際キャリア学部, 准教授 (80723121)
大橋 由美 福岡女学院大学, 国際キャリア学部, 准教授 (90594101)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インタラクティブな授業 / 教室談話 / 英語指導法 / 英語指導効果 / 教師の試み / 学習の反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「インタラクティブな英語授業を生み出す発問及び教室談話の研究」をテーマとして、中学・高等学校における英語指導法改善のための具体的な提案を行うことを目的としている。研究対象には小学校の外国語活動及び大学の英語教育も含める。 平成27年度は前年度に小・中・高等学校の教員を対象に実施したアンケート調査の分析を行うと共に研究協力校を訪問して授業のビデオ撮影を行い、授業内での教師・生徒(児童・学生)間の教室談話の分析を行うためのデータ収集を行った。具体的には、研究協力校である公立中学校1校で4時間、公立高等学校1校で5時間の授業ビデオ撮影を行った。小学校においては、3校の研究協力校で21時間の授業撮影を、大学においては協力校1校で4時間の授業撮影を行った。 研究協力校の教師は何れも英語を使ったインタラクティブな授業を行っており、教室内で何が行われているか、また、インタラクションが成立する教室環境は何かを分析するうえで有益なデータを得ることができた。研究の中心となる中学・高等学校においては、中学の場合1年と3年の授業を参観したが、中学1年生に対しても授業中のかなりの時間を英語で指導しており、それに対して生徒が活発に英語で反応しているのが印象的であった。中学3年生の授業ではほとんどが英語を使ったインタラクティブな授業であった。また、高等学校ではICTを積極的に活用し、ペアワークを多用した授業を行っており、ICTの活用も含めてどのような授業環境を構築するかを考えるうえで参考となった。 小学校では近隣の3校が積極的に研究に協力しており、担当教師とのインタビューでも有益な情報を得ることができた。大学では授業のすべてを英語で指導しており、教師・学生間および学生同士のインタラクションの分析を行ううえで有益な情報が得られたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力校でビデオ撮影したデータ分析が若干遅れているが、研究協力校から有益なデータが得られたため、概ね研究は順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力校をさらに増やすことで、より広範にデータを収集することが理想的であり、その意味で最終年度はさらに協力校を増やして追加データを収集することも必要と考える。 最終年度である平成28年度は、これまでに収集したデータを本格的に分析し、インタラクティブな授業を可能とする要員が何かを分析する。研究するうえで考慮する点は、教室談話の量・質および学習者の反応を積極的に促すその他の要因の分析である。これまで教室内での発問が重要であると考えられてきた。また、言語習得の点から学習者の反応に対して教師がどのような受け答えをするか、学習者の間違いをいかに訂正し Focus-on-Formに導くかが先行研究で議論されてきたが、EFL環境である日本では教室内で頻繁にインタラクションが行われるわけではない。したがって、インタラクティブな雰囲気を創造することそのものが教師の役割であることも今回の研究から分かってきた。 上記の点を総合的に分析して、日本の学校環境に適したCLT授業とは何か、どのような教室談話がインタラクションを導くのか、また、英語を使う教室の雰囲気作りをそれぞれの教師がどのように行っているかを分析し、最終的に報告書としてまとめる。
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Causes of Carryover |
研究協力校である小学校の授業撮影に対して謝金を準備していたが、研究協力校の意向により謝金支払いが不要となったため、予想以上の額が残額として発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度はさらにデータを収集する必要があるため、謝金等の支払が必要となると思われる。中学・高等学校の英語においては謝金支払いを行っているため、その用途に当てるものとする。また、最終年であるため、学会発表も積極的に行う予定であり、残額分は有効に消化できるものと考えている。
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