2016 Fiscal Year Annual Research Report
Construction and Evaluation of Integrated Tablet-Based CALL System
Project/Area Number |
26370656
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小野 雄一 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (70280352)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | タブレット端末 / CALL教室 / 無線システム / 授業実験 / Learning Analytics |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、無線LANとタブレット端末を活用したCALLシステムの構築と、その教室環境を活用した実践研究を扱ってきた。平成28年度の研究成果を踏まえ、80人収容可能な教室80台のタブレット端末を接続した環境で、協同学習などの授業実践を行った。 ただし、平成27年度の研究の中で、大容量の映像などの送受信には限界があり、無線システム利用上の指針を設定した。それは、大容量のデータは送受信はしない、写真や音声などのデータはできるだけ圧縮を施したうえで送受信する、一斉ログインをしなくても済むように80人のログ行動をある程度統制することなどであった。その結果、基本的なテキストデータの送受信や小容量のデータの送受信は無理なく行うことができた。平成28年度においても、輻輳化によって通信に影響を及ぼす状況は継続していたために、設置型の輻輳化抑制装置を設定することで、アクセスポイント付近のパケットロス現象はある程度抑えられる点などを実証した。 以上を確認した上で、平成28年度は実際の授業の中での実践研究を行った。持ち歩くことが可能で、録音、カメラ撮影、ビデオ撮影などを容易に行うことが可能なタブレット端末の特性を生かし、従来型デスクトップCALLシステム環境よりもより動きのある、協同学習、グループ学習を行うことができた。これらの研究成果は、協同学習支援、より深い振り返りなどの文脈における有効なタブレット端末の利用という観点ばかりでなく、Learning Analyticsの枠組みの中で、オンライン環境で得られた学習ログデータを分析する研究にも発展した。学習ログデータから学習行動傾向などを予測する研究にも着手し、スピーキング活動におけるログデータを分析すると、学習者の行動パターンは3種類に分けられる点、しかも、学習者の習熟度とは独立に、教材の難易度に応じて変動する点が明らかになった。
|