2014 Fiscal Year Research-status Report
棲み分け理論に基づく英語前置詞の意味論的研究とそのモジュール教材への応用
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26370660
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
花崎 一夫 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (40319009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 鉱三 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 教授 (20169501)
花崎 美紀 信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (80345727)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 英語の前置詞 / モジュール教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は認知言語学の枠組みを援用し、英語の前置詞の研究やhaveなどの使役動詞の研究を行い、その研究結果を、主に、大学生の英語教育・英語学教育へ還元することを行っている。ここでは「機能語」と呼ばれる前置詞について紹介する。前置詞の学習は、英語学習者が最も困難に感じる学習の一つである。そこで本研究は、個々の前置詞の意味を、前置詞の「棲み分け」を体系的に説明することを通して明らかにすることによって、多くの英語学習者が困難に感じる「機能語」の学習の負担を軽減することを目指している。平成26年度において発表した論文の例として、英語の前置詞「at」の研究がある。一般的な英和辞典の意味記述においては、例えば、 She is good at playing golf.の「at」を「巧拙の対象を表示する」と説明している場合が多いが、この説明では、例えば I am at Tokyo.という文において、どうして「私は東京が得意である/ 苦手である」という意味が出てこないのかが説明できない。一方、我々の立場では、atは「巧拙の対象を表示」してはいるが、at自体にそういう意味があるのではなく、形容詞goodにそういう意味があると考え、at自体は「何かの巧拙」の「何か」が何であるかを<特定>しているだけであるとした。こうすることで、英語の学習者の負担も軽減されることが期待される。すなわち学習者が学ばなければならないことは、at自体の「多義性」ではなく、atがどのような文脈において使われるかということだからである。この文脈の学習は、実践的な例を元に行われるので、学習者にとってもやりやすい物になるわけである。この研究成果は、大学生の自学自習用教材であるモジュール教材として、インターネット上に掲載し、大学生の英語自学自習用教材として活用されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
英語の前置詞を中心とした研究をすすめ、それを大学生の自学自習用教材として活用しているという点においては、予定通りに研究が進んでいると言える。さらに取り扱う前置詞の種類を増やし、その成果も教材としてまとめることを目指したい。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度と28年度も引き続き前置詞の研究とその成果を自学自習用教材として活用する方向で研究を進めるが、本研究の目的を達成するため、関連する分野の研究も行い、その成果も教材としてまとめることを目指したい。
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Causes of Carryover |
27年度においては、当初の予定より多くの国際学会での発表を予定しているため、「次年度使用額」が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度には複数の海外学会での研究成果発表を予定している。次年度使用額は、27年度請求額と合わせて、海外学会の渡航費用を中心に予算の執行をしていく予定である。
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Research Products
(5 results)