2017 Fiscal Year Annual Research Report
Creating an extensive reading program incorporating cognitive and sociocultural approach and the educational effects of the program
Project/Area Number |
26370670
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
水野 邦太郎 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (40320840)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 多読 / ICT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「認知的アプローチ」と「社会文化的アプローチ」を融合させた新しい多読授業を実践するため,その方策としてICTを活用した教材開発に取り組んだ。「認知的アプローチ」では「チャンク単位」で英文を素早く理解するための「英文速読プログラム」をインターネット上に開発した。このプログラムを利用することで,学習者一人ひとりのWPM(Words Per Minute)の変化をグラフで示すことでき,読後の理解度をみるために作成された設問に対する正解率も数値で可視化することができた。一方,「チャンク単位」の英文処理能力育成に拍車をかけるため,スマートフォンを活用した「②チャンク分散学習システム(Spaced Repetition System: SRS」を開発した。このSRSを利用し,「語」という単位よりも大きく,しかし「文」よりは小さい単位で,英文の意味を処理する訓練を行うことができた。さらに,文法力を高めるために,「③ディクトグロス(グラマー・ディクテーション)」のコンピュータ版を開発した。このシステムにより「文法形式」に対する意識化を図ることができた。これらの実践の効果を見るため,G-TELP のテストを29年度の4月と12月に行った。前期の平均点は131.3点,後期は144.2点であり,後期に12.9点の上昇が見られた。特に,文法問題において平均点が11.3点の上昇を見せ顕著であることから、本研究がデザインした「文法形式」と「意味」の関係に焦点を当てた「解釈力」の育成(③ディクトグロス)が,文法問題への解答にプラスの効果を及ぼしたのではないかと思われる。
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