2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26370673
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Research Institution | Uekusa Gakuen University |
Principal Investigator |
長谷川 修治 植草学園大学, 発達教育学部, 教授 (00531617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 則夫 植草学園大学, 発達教育学部, 教授 (80531615)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | デジタル英語教材 / リスニング力 / 記憶 / 効果 / 小学校英語 / 発達段階 / レミニセンス / 情意 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、開発した基幹部分に改良を加えた小学生用デジタル英語教材『太郎と花子のLet's Learn English!』(長谷川・安藤,2014)の試用調査の結果をまとめて、全国レベルの学会で口頭発表を行うとともに論文化をした。また、これまでに行った一連の関連研究とも併せて、海外で開催された国際学会でポスター発表をした。さらに、これまでの調査が行われた小学校でのデジタル英語教材を使用した授業の継続調査を行うと同時に、新たな小学校での補足調査も実施した。 研究内容は、まず、この教材を使用して英語初学者の小学校5年生がパソコンによる個別学習を行った場合、①英語のリスニング力は向上するか、そして②情意面にどのような変化が起きるかを検証することであった。次に、6年生を対象に教員がパソコンを使用して、この教材を大型モニターに映し出しながら英語の一斉指導を行った場合、③学習事項が記憶に残るかを検証することであった。さらに、この研究が行われた小学校および新しく研究協力校となった小学校の新5・6年生に対しても、この教材によるリスニング力の向上と学習事項の記憶への残存状態について、教員による教室での一斉指導でその効果を検証した。 この研究結果から、今回開発・改良された小学生用デジタル英語教材は、児童による個別学習でリスニング力の向上が期待できるとともに、情意面では英語が楽しく勉強になり、学習事項が記憶に残りやすいとの評価を得ることができた。また、教員による一斉指導でも、記憶が学習の10分後に対して、1週間後、2週間後、3週間後と日数を経るごとに強化されていく「レミニセンス」という現象も確認できた。このような事から、今回、開発・改良したデジタル英語教材は学習効果が高く、英語に不慣れな小学校教員でも手軽に使用できるため、今後、小学校英語の教科化に向けても活用の期待が持てると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究課題として、当初予定されていたように、これまでの研究成果をまとめて全国レベルの学会で口頭発表をするとともに論文化ができた。また、口頭発表については、これまでの関連研究と併せて国際学会でポスター発表をすることもできた。さらに、前年度にデジタル英語教材の試用調査を行った小学校での継続調査に加えて、新たな小学校での補足調査もできている。しかしながら、論文化にあたっては、査読はあるとはいえまだ学内の紀要レベルなので、有力な学会誌に掲載できるようにする必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は、まず、当初掲げた平成28年度の予定どおり、これまでの研究成果を参考にして、教材のコンテンツを豊富にするために、新たに 18 Lessonを開発して追加することである。そのため、必要となるパッセージおよび質問と答えの選択肢などを作成し、録音の立会などもする予定である。一方、開発・改良したデジタル英語教材の試用調査の対象となる児童の適正な人数が確保できる小学校を探して研究協力依頼をしなければならない。この点に関しては、地域の教育委員会など学校教育に精通した機関への問い合わせを計画している。
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Causes of Carryover |
開発したデジタル英語教材の試用調査をするための研究協力校を近隣の小学校にして、地域連携を図るとともに交通費の削減に努めた結果である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度計画している追加 18 Lessonの開発には、使用する音声や画像の質を高めるため、それ相応の出費が予定されるので、より良い教材とするために有効活用をしたいと考える。
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